今年も日本に入ってきた「偽装マツタケ」。なぜ北朝鮮産は中国産に偽装されるのか?
しかし、北朝鮮は今年3月からの国連制裁強化で交易に支障が出ていると思われるが……。
「いくらでも抜け道はあります。特に食品は簡単で、禁止されている石炭でも中国へ持ってこれますよ。鉄道やトラックなどの輸送は監視が厳しいですが、普通の川べりへ小型船を使って運搬すれば簡単に密貿易できます」(同)
元々中国ではマツタケの価値自体が低い。吉林など産地では朝鮮族を中心にスープなどにすることはあるが、一般的な中国人はマツタケを食べる習慣はほとんどない。マツタケの香りを臭いと感じ、食することは最近までなかった。南の雲南では、マツタケを乾燥させたり、粉末にして食していたようだが雲南でも頻繁に食べるものではなかった。
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一方、北朝鮮では、マツタケは高級薬剤として使われており、マツタケ酒は健康酒として知られる。食べ方も焼いて食べたりと風味を楽しむ日本の食べ方に近い。
中国では馴染みがなかったマツタケは、近年、庶民にとって夢の高級品であることや豊富な食べ方など日本でのマツタケ人気がインターネットなどで広く紹介されるようになった影響でマツタケは中国においても高級食材へランクアップを遂げつつある。
そう考えると、北朝鮮産を中国産と偽装して日本に輸出されるという現状から、吉林産マツタケどころが北朝鮮産マツタケも中国国内で消費されるようになり、日本国内では中国産に偽装した北朝鮮産マツタケも高嶺の花になってしまうかもしれない。
<取材・文・写真/中野鷹>
なかのよう●北朝鮮ライター・ジャーナリスト。中朝国境、貿易、北朝鮮旅行、北朝鮮の外国人向けイベントについての情報を発信。東南アジアにおける北朝鮮の動きもウォッチ。北レス訪問が趣味。 Twitter ID@you_nakano2017
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