ではどうすればいいのか。伊勢崎氏は「自衛隊派遣以外のやり方で、南スーダンの平和のために貢献する方法があります」と言う。
「そもそもPKOの任務とは、軍人によるPKF(国連平和維持軍)だけではなく、停戦監視団や文民警察など文民による活動も含まれているんです。むしろ、こうした文民の活動の方が上位とされているくらいです。
こうした活動に日本の文民が参加するということは、代替案としてあり得ます。あるいは、『PKO活動にお金を出して協力する』というだけでも、やらないよりは全然マシです」(同)
南スーダン情勢や安保法制によって、大きな岐路に立つ自衛隊のPKO派遣。「国際貢献」というと、自衛隊しかできないことのように考えられがちだが、軍事以外の部分でも日本ができる貢献はあるはずだ。
【伊勢崎賢治】
東京外国語大学教授、国民安保法制懇メンバー。過去には国連 PKO上級幹部として、東ティモール、シエラレオネの戦後処理を担当。また、日本政府特別代表としてアフガニスタン軍閥の武装解除にも携わる。著書に『
日本人は人を殺しに行くのか 戦場からの集団的自衛権入門』(朝日新書)など
<取材・文・撮影/志葉玲>