モンゴルで行われた多国間共同訓練。PKOでの活動を想定したものだ(陸自ウェブサイトより)
こうした最近のアグレッシブなPKO活動は、PKO協力法では想定されていないものだ。同法では、自衛隊のPKO参加での武器使用基準について、自衛官自身の生命・身体の保護のみに限定している。伊勢崎氏は「PKO協力法どころか、憲法にも抵触する」と言う。
「憲法9条第2項では、国の交戦権を否定しています。どこからどう解釈しても、先制攻撃を含むPKO部隊の任務を合憲だとすることは無理な話です」(同)
しかも南スーダンの場合、副大統領支持層とされるヌエル族を迫害したり、外国から来た人道支援関係者を襲撃したりしているのは、南スーダン軍の兵士だ。場合によっては、現地の正規軍と自衛隊が武力衝突することになるが、伊勢崎氏も「現在のPKO部隊の交戦規定の上では、それは十分にあり得ることです」と警告する。