「極楽湯」の株価が急騰した理由は、先述したとおり好決算にある。
極楽湯の第1四半期(4~6月)決算は、売上高は38億3000万円(前年同期比5.2%増)、営業利益は4億7400万円(前年同期比110.0%増)と大幅増益であった。その内訳は、国内の売上高が25億800万円(前年同期比1.2%減)、営業利益1億400万円(前年同期は損失9百万円)となっており、中国の売上高が13億4200万円(前年同期比19.7%増)、営業利益4億2400万円(前年同期比54.5%増)と、中国事業のほうが大幅増益となっている。中国上海に海外2号店をオープンしたことなどが寄与し、2017年3月期の連結営業利益は、前期比44.8%増の650百万円が予想されている。(参照:
平成29年3月期 第1四半期決算短信※pdf )
この堅調な中国事業は2011年に上海に子会社を設立してからスタートしている。2013年には、中国上海市に直営1店舗「極楽湯碧雲温泉館」をオープン(海外進出1号店)。2014年には香港に「Gokurakuyu China Holdings Limitedを設立。2015年、中国上海市に2店目の直営店舗「極楽湯金沙江温泉館」をオープン。さらに2016年には中国武漢市に3店目となる直営店舗をオープン予定(11月中)である。
さらに、中国でのフランチャイズ展開がおこなわれる予定だ。2016年8月26日のプレスリリースによると、極楽湯(上海)は、中国の有力企業である「青島紅樹林旅業有限公司」(中国山東省)と「無錫博大置業有限公司」(中国江蘇省)の2社と、それぞれ「青島(チンタオ)」および「無錫(ムシャク)」において温浴施設をフランチャイズ展開することについて合意したと発表している。
このあたりの情報などをもとに中国の投資家などの注目を集めていることがこの高騰の要因だと思われる。