もっとも、レンタカーを主業とする256社の企業数も「トヨタレンタリース」、「オリックスレンタカー」、「ニッポンレンタカー」、「タイムズカーレンタル」、「日産レンタカー」、「バジェットレンタカー」の大手6ブランドが構成比57.8%と過半数を占め、売上高構成に至っては同「大手6ブランド」がなんと9割(9049億1300万円)を占めるという結果になった。
一方、従業としてレンタカー事業に参入、またはFCに加盟している企業118社は、主にガソリンスタンド経営(構成比20.3%)の企業が参入しているようだ。次いで、中古自動車小売業や自動車(新車)小売業と続く。自動車関連事業者の多くは、レンタカー業経営に必要な車両保守点検設備や駐車スペース、整備士などの人員を備えており、参入の際に初期投資や固定費負担を抑えることができるほか、給油など主業との相乗効果が期待できるケースもあるとしている。
帝国データバンクは、以上の調査結果などについて次のような見解でまとめている。
「近年では都市部に住む若年層を中心に、負担の大きい維持費など経済的な問題のほか、公共交通機関の充実もあり、自動車の『保有』から『シェア』への意識変化が、レンタカー業界に追い風となっている。レンタカー各社は、こうした需要の取り込みに向けて、中古車を活用することにより大手の半額程度でサービスを提供する企業や、高級車や輸入車を豊富に取り揃えることで同業他社との差別化を図っている。このほかにも、『カーシェアリング』と呼ばれる新しいレンタルサービスが拡大を続けているほか、訪日外国人観光客など新たなインバウンド需要が掘り起こされ、レンタカー市場はサービスの態様・顧客層ともに多様化も進んでいる。
原油安によるガソリン価格の低下に加え、今後も訪日外国人観光客の増加や、自動車保有率低下による消費者のレンタカー利用増加が見込まれるなか、消費者のニーズをいかに取り込むことが出来るかが、各社の業績向上に影響を与えそうだ」
参照:
帝国データバンク「レンタカー業者の経営実態調査」(※pdf)
<文/HBO取材班>