「変な日本語提灯」で話題になったタイの居酒屋、仕掛け人の日本人を直撃!

高田胤臣

しゃかりきグループの店内は言葉遊びのオンパレードだ

「恥骨をノック」「ハエ死ね」「人生迷走中」といった妙な日本語が記された提灯や看板が店内にこれでもかと並ぶ。2015年5月、タイにあるこんな居酒屋が、ツイッターなどのSNSで拡散し、バイラルメディアやまとめサイトに取り上げられ話題になった。

 実は、この居酒屋を経営しているのは日本人。大阪出身の清水友彦氏、41歳だ。日本の居酒屋ビジネスに潔く見切りをつけて飛び込んできたのが、東南アジアの中心にあるタイ、バンコクだった。

 現在タイではネットで話題になった串カツなどを楽しめる居酒屋「しゃかりき432゛(しみず)」を中心に、首都バンコク、タイ東部のリゾート地パタヤ、日系企業の日本人駐在員が多い街シーラチャー、そしてミャンマーのヤンゴンにグループ合わせて19店舗の店を持つに至っている。

 和食ブームのタイには日本からも飲食業界大手が多数参入しているが、個人で進出してきた店ではここまで店舗数を伸ばしているところはほかにはない。

「おもしろいかおもしろくないか」が基準

「おもしろいかおもしろくないかを基準に鼻で動いている。おもしろくて、いけるんだったら拡大していく。ヤバいと感じたらすぐ引く」

清水友彦氏(左)。社員旅行の行きのバスですでにテンションが高い。(清水氏のFacebookより)

 清水氏はこれまでアルバイトも含め、飲食店ばかりで働いてきた。20歳で結婚し、子どもがすぐに生まれた。当時社員として飲食店で働いていたがバイトにしてもらい、トラックにも乗った。そして、6年間働いて貯めた600万円で25席の串カツを中心にした「しゃかりき432゛」を大阪で始めた。26歳のときだ。

「最初は串カツでスタートして、もつ鍋を始めたり、かすうどんをラインナップに加えて、みたいな感じであまりコンセプトを立ててやっていなかった。ノリでやって毎日コロコロ方針は変わった」

 清水氏は基本的にノリと勢いで動いているという。そのポリシーで文化も言葉も違う外国でここまでのし上がった。その商才は結局どのように培われたのか。

「ビジネス的な嗅覚は親の離婚も関係しているのかもしれない。6歳くらいで今のオヤジと母親が再婚して、そのころから自然と人の顔色を見るようになった。人を楽しますことが元々好きだったというのもあるので、才能というよりは自然のものだったとも思う」

次のページ 
限界を感じてタイへ

1
2
3
4
4
5
関連記事
6
7