イスラエルが中東情勢の均衡を保つ役目を担う方向に動いている。イスラエルが崩壊すれば、中東はイランの支配下に一挙に傾く可能性がある。
中東情勢の今後はイランの動きが活発になり、アラブ諸国との対立がさらに顕著になって行くと予想されている。それに便乗して、ロシアと中国が中東での影響力をつけるようになる。そのような情勢がこの先展開して行くであろう。今回の巨額支援決定の背景には、そうした事情があるのだ。
<文/白石和幸>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。