ヒラリーの健康問題より重要!? ビル・クリントンとトランプ夫人のクッキーレシピ対決が当落を左右する

ビル・クリントン対メラニア・トランプ

 今年の7月、ビル・クリントンは『ファミリー・サークル』誌の要請に応じて、伝統あるクッキー・コンテストに参加しました。ただし、「クリントン家伝統のチョコチップ・クッキー」と銘打ったレシピは、1992年と1996年にヒラリーに勝利をもたらしたレシピの使い回しです。  大きな戦争もなく、アメリカ経済が繁栄を遂げたクリントン政権下の90年代を「古き良き時代」と振り返る米国人は少なくありません。ビルが過去のものと寸分たがわぬ「クリントン家のレシピ」を公表したのは、「また、かつてと同じ繁栄が取り戻せるんだよ」という主張とも受け止められます。  一方で、共和党のドナルド・トランプ候補の妻・メラニアは、「星型のシュガー・クッキー」のレシピを公開しました。東ヨーロッパ風にサワー・クリームを使ったクッキーは、スロベニア出身のメラニアらしい選択です。しかし、公の場では白い服しか着ないメラニアの「真っ白なクッキー」は、「トランプ候補の白人至上主義を象徴している」などという憶測も招いています。  今年のクッキー・コンテストの投票結果は、大統領選挙の1カ月前、10月4日に公開される予定です。大統領候補の伴侶が男性となり、「もはやクッキー・コンテストは時代遅れ」との声が高まる中、今回が最後のコンテストになる可能性も噂されています。ヒラリー・クリントンによって始まった伝統は、ビル・クリントンによって幕を下ろすのかもしれません。 <取材・文/羽田夏子 写真/Kate Wellington> ●はだ・なつこ/1984年東京生まれ。高校から米国に留学。ヒラリー・クリントンの母校であるウェルズリー大学を卒業後、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科にて国際関係学修士を取得。国連機関インターン、出版社勤務を経て、翻訳編集プロダクションを立ち上げる。日本メンサ会員。
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