「環境最悪企業」と言われるモンサントを買収したバイエルの狙い

なぜにモンサントは嫌われる?

ハワイのマウイ島でモンサントに抗議する人。photo by Viriditas via wikimedia commons (CC BY-SA 3.0)

 では、どうしてモンサントが評判の悪い企業とされているのかその経緯を以下に説明しよう。  モンサントは1901年に米国ミズリー州セントルイスでジョン・クイーニーによって創業された。社名のモンサントは彼の妻の苗字モンサントから取ったものである。妻の父親がバージン諸島で砂糖会社を経営していた。モンサントの最初の製品はサッカリンであった。それをコカ・コーラに売っていた。因みに、サッカリンは発がん性の疑いがあるとして日本での使用量は制限されている。1917年になると、アセチルサリチル酸を生産。即ち、アスピリンのことである。それ以外にポリ塩化ビフェニル(PCB)も生産開始した。その特質が溶けにくい、不燃性、高い熱抵抗、高い沸点などからあらゆる商品に利用された。しかし、これを使用した影響でそれが体内に色々な毒性反応を引き起こすことがその後判明。日本ではライスオイルに使用され、それが人体に中毒症状を起こした事件も発生している。またPCBを使った製品などを燃焼させると発生するダイオキシンは環境破壊に直接繋がっており、またそれによる毒性が高く人体に有害となっている。  1930年代になると最初のハイブリッドコーンを誕生させた。1940年代には殺虫剤としてDDTなども生産。1960年代にはベトナム戦争でベトコンの隠れ場所となっている森林などを破壊させる目的で枯葉剤が生産された。その生産に参加した1社がモンサントである。枯葉剤による毒性の影響は300万人に被害を及ぼし、50万人の赤ん坊が肢体に不自由を抱えて誕生。ベトナム戦争に参加した米軍人もそれによって死亡したり、その後の後遺症の被害を受けるといった結果になっている。  また、反人工食品論や陰謀論的な界隈でもモンサントは悪役だ。顕著な例は、アスパルテームの導入である。アスパルテームはサール薬品が1960年代に偶然生み出した人工甘味料である。1970年代に入って添加物として連邦食品医薬品局(FDA)に認定を申請されたものの、当初FDAはこの物質が脳細胞に有害で腫瘍やアルツハイマーなどを誘発させる可能性があるとして認定を引き延ばしていた。そこでサール薬品が打った手はドナルド・ラムズフェルドを社長に迎え入れたことである。彼はフォード大統領の政権下で国防長官を務めた人物。彼の政治的人脈でレーガン大統領を説得して、FDAの局長に彼の影響力が及ぶ人物を就任させると、アスパルテームは人口甘味料として直ぐに認可されたなどと言われ、しばしば反人工甘味料派の標的にされる。  FDAの認可が降りた後も、アスパルテームが有害か無害かの論争は続いており、その真偽についてはここでは留保したいが、この文脈でもモンサントが登場する。有害主張派は40以上の健康障害の例を挙げられているが、1985年にモンサントがサールを買収すると公的研究機関を贈賄し、政治家への献金を実行し、また独自の無害論を提出したりしているなどと言われているのだ。  こうした界隈では、<モンサントからの献金を受けた政治家の中にはヒラリー・クリントンもいる。最近の情報によると、モンサントはクリントン財団に50万から100万ドル(5000万円~1億円)を献金している>などとも言われている。(参照:「El Robot Pescador」 、「SOTT」)
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バイエルの狙いは新興国市場での拡大
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