「環境最悪企業」と言われるモンサントを買収したバイエルの狙い

白石和幸

GMO種子に反対するデモ。photo by Rosalee Yagihara via flickr(CC BY 2.0)

 9月14日に世界の主要紙はドイツのバイエル(BAYER)が米国のモンサント(MONSANTO)を買収したことを報じた。買収金額は660億ドル(6兆6600億円)。前者はアスピリンで有名な医薬品と農業化学品の世界企業で、後者は遺伝子組み換え種子(GMO)のパイオニアで世界シェア90%の企業である。2015年度の両社の年商はバイエル413億ドル(4兆1700億円)、モンサント150億ドル(1兆5100億ドル)となっている。(参照:「La Nacion」)

 この買収が注目を集める理由は、両社が農業化学分野において世界規模の企業であるということと、その買収額の高さにある。1998年にダイムラーがクライスラーを買収した時の380億ドル(3兆8400億円)を遥かに上回る金額である。

 しかし、この買収はヨーロッパでは必ずしも良い意味で受け取られていない。というのも、モンサントという企業がこれまで環境を汚染し、そして人体に有害な製品を生産して来たという前歴を持っているからである。ヨーロッパでは評判の悪い企業なのである。

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熾烈な買収合戦が繰り広げられるアグロビジネス

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