3:病院に行かなかったのはなぜか。
911の式典で脱水症状を起こし、周囲に抱えられて退席したクリントン氏だが、その後は病院に行かず、ニューヨーク市内の娘チェルシーさんのアパートメントで静養し、その後ニューヨーク州内の自宅で医師の診察を受けている。
4:番記者グループから隔離されたのはなぜか。
米国大統領や大統領候補は伝統的に、行く先々に常に番記者グループを帯同させ、ニュースを発信させる体制を作っているという。だが911式典の際、クリントン陣営は番記者グループを90分間、クリントン氏から隔離し、その間は同氏がどこにいるのか、症状はどうなっているのかを伝えなかった。同氏は、こうした番記者グループに対してフルで帯同することはまだ認めていないのだが、今後は果たしてどうなるのか。もし大統領に選出された場合、番記者グループが常に帯同できず空白の時間が出ることになれば、株式市場に直接的に影響するだろうという懸念も指摘されている。
5:大統領選の有権者はどう反応するのか。
クリントン氏の最大の欠点は、正直さに欠けている点、すなわち有権者から信用されないのではないかという点だと、一部の米メディアは指摘している。もっとも、クリントン氏は夫のビル氏が大統領だった頃の大統領夫人時代から25年近くもメディアに晒され続け、2008年にバラク・オバマ大統領下で国務長官に就任してからその露出度はさらに上がり、実は米国民はクリントン氏の健康状態に関する情報を多く得てきているのだという指摘もある。実際、クリントン氏が2012年にウイルス性の脱水症状で入院したときのことも細かく報道されている。一方の共和党大統領候補ドナルド・トランプ氏はこれまでメディアに晒される立場にはなかったため、その健康状態に関しては一般国民にほとんど把握されていないというのが実情。しかもクリントン氏は女性であることから、健康面、体力面でより一層、厳しい目で見られているという指摘もある。そんな中、911式典の騒動から数日後、米テレビネットワークのABCニューヨークの夕方のニュースで、キャスターがクリントン氏死去を伝えるニュース原稿を読み上げるという異常な騒動まで起こっている。もちろんこれは誤報である。