東京五輪[おもてなし銘柄]は今から仕込むべき
2016.09.19
リオ五輪の熱気も冷めやらぬなか、日本では次の東京五輪に向けて本格始動。“おもてなし”の心で準備を急ピッチで進めているが、ならば特需を取り込み、業績を伸ばす企業を見定めるには今が好機だ。過去の五輪データを参照に注目銘柄を選定した!
日本のメダルラッシュに沸いたリオ五輪。安倍首相がマリオに扮した東京五輪への引き継ぎ式は世界でも話題を集めた。いずれにしても、今から「TOKYO2020」に向けた4年が始まる。
株式市場では、’13年9月に東京への誘致決定後、これまで「五輪関連」としてさまざまな銘柄が買い上げられてきた。ところが、今ではその“理想買い”相場は終わり、日々の相場で五輪関連という言葉を耳にすることは稀だ。
しかし、五輪開催の準備が本格化するのはまさにこれから。五輪特需によって企業の懐が潤うのも、これからが本番なのである。理想買い相場が終わり、株価が平常化している今こそ、まさに仕込み時なのである。
もっとも、五輪関連と名のつく銘柄なら何でもOKというわけにはいかない。やはり業種や銘柄の絞り込みが重要になってくるのだが、「過去の五輪を参考にすると注目すべき業種、銘柄が見えてくる」と話すのが、SBI証券のアナリスト・藤本誠之氏だ。
「株式相場では、過去の経験則というものが非常に重要になってきます。東京では過去に一度五輪が開催されましたが、さすがにそれと現在を比べるのは、環境が違いすぎて無理がある。かといって、リオも経済状況が違う。そこで、比較対象として有効なのは、’12年のロンドン五輪でしょう」
ロンドン五輪が開催された当時、英国は’10年の欧州金融危機の影響から抜け出せておらず、デフレ懸念もくすぶり、経済は不安定な状況が続いていた。一方、現在の日本もデフレ懸念が再び持ち上がるなど不安定な経済状況にある。また、両国とも島国で、G7(先進7か国主要会議)に参加する先進国という点も共通している。
「英国政府がロンドン五輪の経済波及効果を検証した『事後評価レポート』では、五輪でどの産業の雇用が増えたかが書かれています。ロンドン五輪で雇用が大きく増加した業種は、日本でも同じように雇用の増加が期待できる。雇用の増加はその業種の景気が良くないとあり得ませんから、業績が好調であれば、株価も必然的に上昇するというわけです」(藤本氏)
同レポートによると、五輪によって雇用が誘発され、経済波及効果の恩恵が大きかった業種は上位から「卸売・小売業」「広告業(専門・科学・技術サービス業)」「警備・観光関連業(事務管理サポート)」「建設」となっている。
過去を参考にするなら、ロンドン五輪がベスト
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