EU体制維持のために浮上した「2速度の欧州」論。しかしそれでも問題は山積み

白石和幸

moritz320/Pixabay(CC0 PublicDomain)

 英国がEU離脱を決めたことが影響して、EUの今後のあり方が問われている。その中で、EUの発展に「2速度の欧州(two speed Europe)」の適用が必要だという意見が浮上してきたのだ。

「2速度」、すなわち、経済力の強い国と弱い国が別々に分かれて2つの異なったスピードで経済発展を計ろうとするものである。

「2速度の欧州」というのは、ドイツのメルケル首相が2012年6月に<ユーロの安定化と現在の種々問題を乗り越えてEUを統一するには、二つの異なった速度をもったヨーロッパが必要であろう>と述べたことに端を発する。(参照:「ABC」)

 EUの統一化で目指すものは財政の統合である。しかし、そこに至るまでには28か国(英国が離脱して27か国)が同じ歩調で歩むのは無理があるということなのである。

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「2速度の欧州」を象徴する動き

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