購買モチベーションに合わない話法は押し売りに過ぎない
にもかかわらず、「新商品」であることや「売れ筋」であることを強調するパンフレットやセールストークが実に多い。年間1,500名にのぼる分解スキル・反復演習の参加者のうち、「目標達成」志向が強く新商品を好む人の割合は19%に過ぎない。「他者協力」志向が強く販売シェアを気にする人の割合は21%だ。新商品を打ち出しても、シェアを強調しても、大多数の80%の人には届かないのだ。
もちろん、会社が一律でつくるパンフレットは、20%の顧客の興味を引けば良いという割り切りで、作成させていると思えば、それもよしということかもしれない。しかし、
個々の営業担当者が、会社が作成したパンフレットどおり、連呼していたのでは、策がないとしか言いようがない。「自律裁量」志向で自分自身が決定したいと思っている顧客に、いくら新商品だと強調し続けても、「公私調和」志向で標準的な商品を望んでいる顧客に、画期的な商品だと連呼しても、押し売りと思われるのが関の山なのだ。
会社のパンフレットや、共通の販売話法が、新商品や販売シェアにフォーカスしていようが、営業担当者が個々の顧客に相対することができる場合には、顧客のさまざまな購買モチベーションに応じたセールストークを展開すればよいことになる。