「すかいらーくのMBOは成功したとは思えない」闇株新聞

’06年にMBOによって非上場化した「すかいらーく」が、ついに再上場を果たした。時価総額で日本マクドナルドに次ぐ外食2位のポジションに返り咲いたことを受けて、国内では数少ないMBOの成功例と言われたが……実態やいかに? 闇株新聞氏が一刀両断!

8年ぶりの“再上場”を果たした「すかいらーく」のMBOは成功例と言えるのか?【後編】

(ブログ&有料メルマガ管理人「闇株新聞」氏)

⇒【前編】はコチラ

 ところで、野村HDはその後500億円を追加出資して合計1500億円の出資となっていたが、東日本大震災後の経営悪化に耐え切れず、すかいらーく全株を1600億円で投資ファンドのベイン・キャピタルに売却してしまった。ほとんど利益が出なかったと見ていいだろう。

 一方で、ベインは1600億円全額をエクイティ出資したとは考えにくく、半分の800億円くらいはすかいらーくの借り入れで賄っていたような気がする。

 結果的に、約800億円の出資で全株を取得したベインは、今回の再上場で5000万株強を売り出して約600億円(公募価格1200円×5000万株)を回収してしまい、さらに上場後のすかいらーくの7割以上、時価総額で1500億円以上を保有することに成功。まさにボロ儲けであるが、これは野村HDが当初描いていたシナリオで、もともと企業価値拡大などは誰も目指していなかったことは明らかだ。

 再上場後のすかいらーくは1500億円の借り入れと1400億円の未償却のれん代を抱えた悲惨なバランスシートとなってしまっている。これで株価が今後上昇するとはとても思えないが、これが企業価値を向上させるための日本版MBOの成功例と評価されているのである。

【今週の数字】
再上場でベイン・キャピタルが手にしたリターン(推定)
約1300億円
闇株新聞氏は、ベインは800億円の“出資”で全株取得したと予想。売り出しで得た600億円+1500億円(保有株)から、出資分800億円を引き、1300億円のリターンに

【選者】「闇株新聞」氏
闇株新聞’10年にブログ「闇株新聞」(http://yamikabu.blog136.fc2.com/)を創刊。管理人は大手証券においてトレーディングや私募ファイナンスの斡旋、企業再生などに携わった経験を生かして記事を執筆。特に’11年10月の「オリンパス事件」や’12年3月の「AIJ投資顧問事件」で専門家もうなる詳細記事を書いて話題に。’12年から有料メルマガ「闇株新聞プレミアム」(月額2600円)を開始。『闇株新聞 the book』(ダイヤモンド社)も発売中

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