都民のための地銀「きらぼし銀行」は、なぜ新銀行東京を救済したのか?
2016.09.03
「きらやか銀行」「みなと銀行」「トマト銀行」に「ほくほくフィナンシャルグループ」「コンコルディア・フィナンシャルグループ」「めぶきフィナンシャルグループ」……どこにあるのか分からない名前の金融機関が増える昨今ではあるが、また新たな銀行が、しかも都内に誕生する。その名も「きらぼし銀行」。
「東京TYフィナンシャルグループ」(東京TYFG、新宿区)は8月28日に、傘下の「東京都民銀行」(港区)、「八千代銀行」(新宿区)、「新銀行東京」(新宿区)の3行を2018年5月に経営統合させ、新商号を「東京きらぼしフィナンシャルグループ」・「きらぼし銀行」(Kiraboshi Bank,Ltd.)とすることを発表したのだ。
東京TYFGは、地方銀行の「東京都民銀行」(1951年設立)と、第二地銀で旧・八千代信用金庫の「八千代銀行」(1924年創立)によって2014年10月に設立されたもの。2016年には、経営再建中だった東京都出資の信託銀行「新銀行東京」(2004年設立)を傘下に収めるとともに、3行の経営統合に向けた準備が行われていた。
当初、3行の合併は2017年度に予定されていたが、システム統合作業の遅れなどから2018年5月の統合に延期されることとなった。3行の合併後は、新銀行東京の基幹系システムを都民銀行に統合する一方、八千代銀行とのシステム統合は延期されるが、最終的にはNTTデータが提供する共同システムに統合される予定だという。存続会社は八千代銀行だが、銀行コードは都民銀行のものを使用することになる。
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また、合併後のきらぼし銀行の本社は八千代銀行本店(新宿区)に、きらぼし銀行の本店は2017年に完成予定の都民銀行本店ビル(港区南青山)に置かれる。総資産は5兆円を超える見込みで、地方銀行ゆえに合併後も殆どの支店は東京都内とその周辺にドミナント展開され、東京都民に密着した経営が行われることになる。
東京の「地方銀行連合」誕生へ
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