18世紀初頭までバルセロナを首府とするカタルーニャ地方は独立した自治制度を維持していたというのが独立支持派の根底にある。
カタルーニャの独立機運を煽ったのがEUの、特に南欧を襲った財政危機である。スペインのGDPの20%を担うカタルーニャ州が、中央政府から受ける交付金の額がそれに見合わないものだというのが更に独立気運を煽る根拠となっている。独立すればカタルーニャ政府が歳出入の収支を独自に賄って財政難も避けることが出来るという考えで、カタルーニャ州政府は政治的に問題を解決して独立しようと考えた。
しかし、よくあることで、政治家の多くが企業経営を理解してないことが問題なのだ。独立すれば企業もより発展すると思っている。そこに至るまでのプロセスで企業が犠牲を伴うことが政治家には理解できないのである。
<文/白石和幸>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。