中国映画界で起きている“日本映画バブル”その理由を探る

中国の映画祭に出展した、日本の映画製作会社アジアピクチャーズエンタテインメント(APiE)のブース。中国に進出する日本のコンテンツ事業者は非常に少なく、来客が殺到したという(写真:APiE提供)

来年にはアメリカを抜き、中国が世界一の映画大国に⁉

 中国映画界に異変が起きている。’16年春、昨年日本でも大ヒットした『ビリギャル』が公開されるやいなや、約3800万元(約6億円)の興行収入を記録し、中国国内の日本実写映画の歴代興行記録を更新。さらに人気少女漫画『イタズラなKiss』や手塚治虫の名作『ブラック・ジャック』など、日本産コンテンツの中国版の実写映画化・ドラマ化が次々と進められている。  これまでは日本のコンテンツは中国のネット配信では人気だったが劇場での公開は稀であった。日本コンテンツのリメイク実写映画の躍進にはどのような背景があるのか。中国で圧倒的な人気を誇る『イタズラなKiss』の日本映画製作とその中国販売を手掛けるアジアピクチャーズエンタテインメント・上野由洋CEOに話を聞いた。 「中国が空前の映画ブームの渦中にあることが前提にあります。現在の世界の映画市場規模は米国が1位ですが、中国は国策で映画産業の育成を進め、スクリーン数でも米国の4万を上回る10万スクリーンを目指す構え。’17年には米国を抜いて中国が世界一の映画大国になるといわれています」 ⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=105393
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ウケているのは「中国人にない発想」
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