GPIFの国内株式保有銘柄を見ると、自動車、銀行が上位に来ており、明らかに日経平均の構成銘柄(上位5銘柄は、1位からファーストリテイリング、KDDI、ソフトバンク、ファナック、京セラの順)とは異なる。
一方、東証株価指数(TOPIX)を見てみると、2014年12月末日時点のデータと若干古いが、構成銘柄トップ10は、1位からトヨタ、三菱UFJ、ソフトバンク、三井住友、本田技研、みずほ、KDDI、NTT、キャノン、日立となっている。(参照「
TOPIX」※pdf)したがって、GPIFとTOPIXの構成銘柄トップ10は似通っており、差異は、ファナックと日立の違いだけである。
同様に、2015年12月末日時点のデータであるが、JPX日経400の構成銘柄トップ10は、1位からJT、NTT、KDDI、本田技研、武田薬品、みずほ、ソフトバンク、三井住友、セブン&アイ、三菱UFJである。(参照:「
日経インデックス400ファクトシート」) TOPIXと比較すると、JPX日経400はGPIFの構成銘柄トップ10からの差異が広がっている。
GPIFの国内株式パッシブ運用とアクティブ運用の割合は、2015年度末時点、パッシブ比率82%、アクティブ比率18%である。パッシブ運用では、従来の TOPIXに加えて、「JPX日経400」、「Russell Nomura Prime」及び「MSCI Japan Standard」の3つのイン デックスが採用されている。
以上の通り、GPIFの国内株式運用は、現状ではTOPIXに連動する運用が主となっている。個人が、GPIFの国内株式運用を真似ようとすれば、TOPIXに連動するETFを買えばよいということになる。
他方、GPIFの外国株式運用については、2015年度末時点、パッシブ比率84%、アクティブ比率16%である。パッシブ運用では、先進国のみで構成される MSCI KOKUSAI(除く日本、円ベース、配当込み、管理運用 法人の配当課税要因考慮後)から新興国も含むMSCI ACWI(除く日本、円ベース、配当込み、管理運用法人の配当課税 要因考慮後)に変更することで新興国の経済成長の取り込みを図っている。
上記と同様に、個人が、GPIFの外国株式運用を真似ようとすれば、MSCI ACWIに連動するETFを主に買えばよいということになる。このように、GPIFの保有銘柄開示を個人の運用に活用するとすれば、TOPIXやMSCI ACWIに連動するETFでの運用というシンプルな結論へと至ることを確認できたことは有益である。