「家庭用と産業用を合わせて合計2000アイテムほどを製造しており、その6~7割が産業用手袋です。市場規模は家庭用より大きいですが、景気の影響に左右される側面もありますね。幸い、現在の売上は順調に推移しています」
産業用手袋は作業内容ごとに製品が細分化されているため、家庭用手袋以上に素材や形状は多種多様。メーカーの技術を駆使した製品が見られて面白い分野だ。
「作業を行う環境がドライなのかウエットな状況なのかによって手袋の形状が異なります。これに加えて、『低発塵』や『帯電防止』などの特殊な機能を必要とする作業もあります。様々な作業に対応するため、多くの素材(繊維や樹脂)を使用して試作を繰り返していますね。お客様も様々な手袋を比較されたうえで購入されますので、妥協が許されないシビアな世界です」
多様な産業用手袋の中で、業界トップセールスを誇る製品がある。それが『グリップ(ソフトタイプ)』だ。工事現場や運送業で絶大な人気があり、テレビドラマなどでもこの手袋を使っている姿がよく見られるという。
『グリップ(ソフトタイプ)』。筆者の家でも使用したが、軍手に比べてすべりにくく、手の安心感が違う。一般家庭の草取りなどでも役立つだろう