再来年は、会津戦争終結から150年の節目となる。1987年の友好都市提携の打診をきっかけに、萩市と会津若松市では市民レベルの交流が本格化し、それぞれの市長も両市を訪れるなど歩み寄りが始まっている。それでも「公の場では握手はできない」と、わだかまりは消えず、130年、140年の節目でも機は熟さなかった。しかし、東日本大震災では、萩市が会津若松市に支援の手を差し伸べるなど、両者は心を通わせてきた。そろそろ長州を許してあげてもいいと考える会津の人たちは少なくないだろう。
<文/中野龍 写真/
Tomo.Yun >
【中野龍】
1980年東京生まれ。日本大学文理学部史学科(日本近現代史専攻)卒。毎日新聞「キャンパる」学生記者、化学工業日報記者などを経て、フリーランス。