こじれた因縁を断ち切ることはできないのか。実はいい先例がある。同じ幕末の1860年には、彦根藩(滋賀県彦根市)の大名でもある幕府の大老・井伊直弼が、水戸藩(茨城県水戸市)浪士に殺害された桜田門外の変が起きている。水戸市と彦根市は1968年に友好都市となり、約100年ぶりに和解している。また、「忠臣蔵」としてお馴染みの赤穂浪士の討ち入り(1703年)では、兵庫県赤穂市が毎年「忠臣蔵サミット」を行っているが、敵の吉良上野介の領地だった愛知県吉良町(2011年に西尾市と合併)も1993年から招待されている。