今や納豆の定番「金のつぶ」――業界構造を変えた20年前のイノベーションとは?

平野健児

写真/Natcham N

200年に渡って受け継がれる、フロンティアスピリッツ

 皆さんは戦前に地方メーカーながら、のちにキリン、アサヒ、サッポロとなる大資本を向こうに回して、1900年のパリ万国博覧会では金牌を獲得した「カブトビール」や、マクドナルド1号店が銀座にオープンした1971年に、赤坂を中心に大きなバンズと本格的なピクルスを武器に、展開した「ハンダス」というハンバーガーショップをご存知でしょうか? カブトビールの方は、ジブリ映画「風立ちぬ」の劇中にも、度々登場していたので見覚えのある方もいらっしゃるかもしれません。

 しかし、これらのチャレンジングな事業が「味ぽん」などの人気商品で知られ、創業200年を超える食品メーカー、ミツカン(Mizkan)によるものだと聞くと意外に思われる方も多いのではないでしょうか。また、近年もミツカンは、2014年に世界的消費財大手のユニリーバから、パスタソースブランド「ラグー(米国1位)」と「ベルトーリ(米国4位)」を2150億円で買収しているのですが、2014年のミツカンの売上高が1642億円、経常利益は212億円であったことを考えると、上記のアグレッシブな事業展開も決して昔に限ったエピソードというわけではなさそうです。

第26期決算公告:6月1日官報91頁より
当期純利益:43億3400万円
利益剰余金:187億3100万円
過去の決算情報:詳しくはこちら http://nokizal.com/company/show/id/1703294#flst

 そこで、今回はミツカンの創業からの代表的な看板商品を振り返りながら、200年に渡って、代々の当主の名前「中野又左衛門」とともに、受け継がれてきたフロンティアスピリッツのDNAを追ってみたいと思います。

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タブーへの挑戦から始まったミツカンの創業エピソード
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