増田氏は「再稼働が必要」、小池氏は「LED転換で原発13基に匹敵」
増田寛也候補
これに対し自公などが推薦する元岩手県知事の増田寛也氏は、「今は再稼働が必要」という立場だ。
「国として全力を挙げて原発依存度を低減していく必要がある」と語る一方、「安全性が確認された原発の稼働は今は認めていくべきだ」と再稼働容認の立場も強調している。
増田氏の主張は「原発依存は低減しながら再稼働は進める」という安倍政権の原発政策と重なり合う。また2014年6月から出馬直前まで東京電力の社外取締役を務めたことについては、「“原子力ムラ”の一員ではないか」といった批判に答えるべく、「第三者の視点から東電改革を進めるため、被災地の首長経験者として就任した」と説明している。
小池百合子候補
元環境相の小池百合子氏は、再生エネの活用や省エネを進めるエコハウス・スマートハウスへの補助強化や、省エネ効果のあるLEDの導入促進を選挙公約に盛り込んでいる。そして、LEDへの転換で原発13基に匹敵するとの試算も引用しながら都民の協力を求めると訴えてもいる。
ただし、原発については「安全性の確保が第一」と記者会見で述べ、小泉氏や鳥越氏のように原発再稼働の必要性自体を否定するところまでには踏み込んでいない。
「トモダチ作戦被害者支援基金」に関する記者会見で小泉元首相と細川元首相は、小池氏について「度胸がある」「政治的センスがある」と評価はしたが、原発即時ゼロ政策では一致していたわけではないのだ。
取材・文・写真/横田一(ジャーナリスト。
小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた最新刊『黙って寝てはいられない』<小泉純一郎/談、吉原毅/編>に編集協力)