横浜駅の定番「シウマイ弁当」の崎陽軒には、社員全員が習得している特殊スキルがあった!

何から食べる?横浜駅名物「シウマイ弁当」のおかずの変遷

 なお、その後の現在のシウマイ弁当に至るまでのメジャーな変化にも触れておくと、主役のシウマイはオイルショックの1974年の大幅値上げに伴って、4個から5個に増えており、この年エビフライはホタテフライに、椎茸の甘煮が加わっています。1988年から1997年まではレンコン炒めが入っていましたね。  発売時にブリの照焼だった焼き魚は、1963年にマグロの照焼に変わり、すっかりシウマイ弁当の定番化してます。定番といえば、鶏の唐揚げの登場は1992年と意外に遅いです。逆に発売当時の売りだった福神漬は1981年に姿を消しています。また、現在でも蒲鉾の厚さを7mmから8mmにしたり、昆布の産地を変えたりといった、マイナーチェンジはしばしばひっそりと行われているそうです。  あと、価格面ですが、発売時の価格は100円となっており、1954年当時の物価を見てみると、コーヒー50円、煙草30円、 新聞購読月330円、はがき5円、かけそば30円、ビール125円等々なので、感覚的には今とさほど変わらず、手頃な値段だったのではないかと思われます。

崎陽軒の社員のみが全員マスターしている特殊スキルがある?

 ところで、横浜と東京で販売されているシウマイ弁当では容器に違いがあることにお気づきでしょうか。実は横浜工場生産分が掛け紙を紐で結わえているのに対して、東京工場生産分は掛け紙と同じデザインの紙の蓋を被せるスタイルが取られています。 シウマイ弁当は御飯詰め以外は殆どが手作業だそうですが、実は中でも手がかかるのがこの掛け紙を紐で結わえる作業で、工場には紐掛けの職人がいて、中には1時間で300個を結わえるほどの達人もいるそうですが、それでも横浜分を賄うだけで限界なんだそうです。  それどころか、春と秋の運動会シーズンや連休等で大量の出荷がある際は、一般職の社員が工場に入って社員総出で結ぶこともあり、そのため、崎陽軒の社員は研修で必ず「シウマイ弁当」の紐掛けをマスターするそうです。いざとなれば、社員なら全員出来るとかちょっと格好いいですね。
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税務署が「シウマイでビルが建つはずがない」
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