早起きのメリットとは何なのか? 幾つか挙げている研究があります。
・朝型は性格がいい:2011年に364名を対象に行われた調査では、朝型は他人との協調性があり、夜型よりも感じのよい人が多かったそうです(5)。
・朝型は几帳面:2008年に行われたテストによれば、夜型よりも朝型のほうが几帳面で、スケジュールどおりに仕事をこなす傾向がありました(6)。
つまり、
朝型は他人から好かれやすく、社会人としての適性は夜型よりも高いわけです。どちらがいいか悩むところですねぇ。
この結果について、ラフバラー大学のジム・ホーン教授は、以下のようにコメントしています(7)。
『夜型の人たちは、より外向的で創造性が高い。その結果、アーティストや詩人、発明家といった職業につくケースが増える。いっぽうで朝型は、公務員や会計士などに多い』
どうやら、夜型は一発当たればデカい仕事につきやすく、朝型は堅実な職業に落ち着くケースが多いようです。そのため、収入の平均をとった場合は、夜型のほうが稼ぎが大きくなるのかもしれません。
とはいえ、以上のデータは観察研究がメイン。「夜ふかしをすれば頭がよくなる!」という話ではないのでご注意ください。あくまで、知能が高い人ほど夜ふかしになりやすい傾向があるだけです。
そもそも、朝型になるか夜型になるかは遺伝の要素が大きく、意志の力でどうこうできるものでもありません。これまでの研究によれば、ヒトの体内時計のリズムはおよそ50%が生まれた瞬間に決まります(8)。早起きで人生が変わったような人は、たんにもとから朝型の遺伝子が備わっていただけなのかもしれません。
いずれにせよ、「もっと早起きすれば幸せになれるのでは…」などと悩むのは時間のムダ。自分の体内時計のメリットを活かすことを考えたほうが、よほど実りの多い人生を送れるでしょう。
<文/Yu Suzuki>
〈プロフィール〉
月間100万PVのアンチエイジングブログ「パレオな男」(
http://yuchrszk.blogspot.co.id/)管理人。「120歳まで生きること」を目標に、日々健康維持に励んでいる。アンチエイジング、トレーニング、メンタルなど多岐にわたり高度な知見を発信している。NASM®公認パーソナルトレーナー。あまりに不摂生な暮らしのせいで体を壊し、一念発起で13キロのダイエットに成功。その勢いでアンチエイジングにのめり込む。
1.Catharine Gale, et al. “Larks and owls and health, wealth, and wisdom”
2.Richard D Roberts, et al. “Morningness–eveningness and intelligence: early to bed, early to rise will likely make you anything but wise!”
3.Mareike B. Wieth, et al. “Time of day effects on problem solving: When the non-optimal is optimal”
4.Christoph Randler, et al. “Eveningness is related to men’s mating success”
5.Christoph Randler, et al. “Relationship between morningness–eveningness and temperament and character dimensions in adolescents”
6.Díaz-Morales JF, et al. “Indecision and avoidant procrastination: the role of morningness-eveningness and time perspective in chronic delay lifestyles.”
7.Roger Dobson“If you want to get ahead, be a night owl”
8.Christoph Randler“The Early Bird Really Does Get the Worm”