日本株に大きく影響を与える中国問題と北朝鮮問題
2014.08.13
米ニューヨークダウが史上最高値を更新するなか、日経平均株価は足踏みを続けている。株価の面で注目される企業はどこか。金融の第一線で活躍するプロが、最も注目するメルマガとして知られる「闇株新聞」を直撃した。
――日本株に大きく影響を与える海外の不安材料にはどんなものが考えられますか?
「現在はニューヨーク株式など新興国を含む世界の株価が急落するとも思っていないので、中国問題と北朝鮮問題に絞ります。
まず中国です。チャイナリスクはいろいろありますが、特に重要と思える二つを説明します。
一つ目の問題は、中国の経済規模も成長率も、実は全く信用できないこと。あえて極端なことを言えば、中国経済の本当の規模も本当の成長率も、誰もわからず、発表される数字を信用させられているので崩壊しないのかもしれません。
だいたい中国の5月の消費者物価が前年同月比2.5%の上昇で、卸売物価指数が同じく1.4%の下落です。7%台半ばの成長を続けている国の物価では絶対にありません。
一番の問題は、この誰もわからない規模と成長率を前提として、世界中が設備投資や資源開発を行っていることです。だとすると世界中で大変な過剰生産設備と、消費しきれない資源開発が行われていることになります。
二つ目の問題は、ここ20年ほど中国経済の成長を支えた人民元の通貨政策が曲がり角に来ていることです。中国は1994年から人民元レートを輸出用優遇レートに切り下げて貿易黒字と資本流入を加速させ、中国経済は驚異的な成長を遂げました。
ところが中国政府(中国人民銀行)は今年に入ってから、人民元を少しだけですが安くする政策に切り替えました。減り始めた輸出を増加させて中国経済を成長させようと考えたはずです。
しかしこれは人民元がもう値上がりしない、またはもっと値下がりする通貨になったことになり、少なくとも海外からの資本流入がストップあるいは流出に転じる恐れがあります。中国経済を発展させてきた前提が大きく崩れてしまうことになるのです」
――北朝鮮はどうでしょうか。
「ここでは拉致問題に絞りましょう。04年に小泉元首相が拉致被害者5人を帰国させましたが、その際に北朝鮮に対して巨額資金援助の密約がありました。具体的には北朝鮮系信用組合の破綻処理に日本の税金から1兆500億円の公的資金を投入したのですが、そもそも北朝鮮系信用組合は預金の大半を金正日に不正送金したり、日本での数々の非合法活動への資金提供で消えてしまっていました。その消えた預金をすべて日本人の税金で補填したのでした。
そこから10年たった今年5月下旬にストックホルムで行われた日朝政府間協議で、北朝鮮が拉致被害者を含むすべての日本人に関する調査を開始した段階で、日本が北朝鮮に科しているすべての制裁を解除する合意がなされました。
これだけでも十分に北朝鮮に配慮しているのですが、2~3人の日本人が帰国する見返りとして、一体どれくらい巨額の資金援助を密約しているのか想像もつきません。第一、拉致被害者とは言っておらず、よど号事件の犯人かもしれません」
― [闇株新聞]速報【3】 ―
拉致被害者帰国の裏に日朝巨額支援の密約
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