クリントン家暴露本のベストセラーに見る、米大統領選混迷の要因

ヒラリーに対して積もり積もった不信感

<スキャンダル隠しに奔走し、実際の敵だけでなく、彼らが勝手に作り上げた敵までを潰すのに必死になるあまり、本来の目的であるはずの国の統治が後回しになる。> <ヒラリーにおいては、あらゆることがビジネスとして処理されていた。社交嫌いゆえ、そのリーダーシップのスタイルは、純粋に恐怖と嫌悪感をもとに形作られていた。>  こうした背景から、説明を二転三転させてまで“クリントンブランド”を守り通そうとするヒラリーに対して積もり積もった不信感。選挙戦が混迷の度合いを深める理由は、ここにあると言えそうだ。  15日、対立候補のドナルド・トランプはテレビ番組に出演し、身体を張ってカツラ疑惑を払しょくしてみせるパフォーマンスに打って出た。 http://www.youtube.com/watch?v=u0BYqzdiuJc  この男も負けず劣らずの大ぼら吹きだろう。だが、そのウソを用いて自らを正直な人間であるかのように見せる術は心得ているようだ。ボストングローブ紙は、「ウソつき同士の戦いとなれば、トランプに勝機あり」と8月の時点で予想している。(参照:「BostonGlobe」  どちらが勝つにせよ、ウソつきに核のボタンを委ねるしかない選挙であるならば、民主主義の敗北として記憶されることになるのかもしれない。 <文/石黒隆之>
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Crisis of Character

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