クリントン家暴露本のベストセラーに見る、米大統領選混迷の要因

石黒隆之
 風雲急を告げる、アメリカ大統領選。9.11の追悼式典を途中退席したヒラリー・クリントン候補の重病説が、まことしやかにささやかれているのだ。前のめりになり、自力では車に乗りこめない様子をとらえた動画は衝撃的だった。

 その後、肺炎を患っており、当日は暑さによる脱水症状で体調を崩したと発表された。そして、14日には「引き続き健康であり、問題なく大統領を務められる」とする医師による診断書が公表された。

 もちろん、最大の関心事はクリントン議員が“本当に”健康なのかどうかだ。だが、それ以上に悩ましいのは、彼女が支持者以外の有権者から信頼を得られていないという状況なのだろう。なぜ、放言や妄言を繰り返すだけの対立候補を圧倒できないのか。

 当初は楽勝ムードだったはずだ。イギリスのフィナンシャルタイムズ紙も昨年12月の時点では、「じきにトランプ旋風もおさまり、結局はヒラリー・クリントンが大統領になるだろう」と予測し、本当の危機はフランスのルペンだとする記事を配信していた。“最後には常識を発揮するのがアメリカ人”というわけだ。(参照:「Financial Times」)

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ヒラリーに辟易する米有権者

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Crisis of Character

ニューヨークタイムズベストセラー

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