PCデポ「高額請求」問題で炎上中。純利益10倍ビジネスの思わぬ落とし穴とは!?

 決算書や財務諸表などの公開情報をもとに、さまざまな企業を分析し、その知られざる実態を明らかにする本連載。第10回目に取り上げるのは現在、絶賛「炎上中」のあの家電量販チェーン店。問題視された高額なサポート契約の背景にあったのは、同社の純利益10倍ビジネスモデルの大転換の落とし穴だった――

photo by Kici CC BY-SA 3.0

 PCのサポートサービスとして、高齢者に月額1万5000円の契約をさせ、解除時には20万円もの解約料を請求。こうした経緯がtwitterで明らかになり、批判が殺到している家電量販チェーン店「PCデポ」。すでに公式HP上で謝罪と対策を発表しているが、いまだに事態の沈静化の見通しは立っていない。  解約料に20万円というのは明らかに高すぎだが、そもそもなぜこんなことになったのか。決算書を読み解くと、同社が急速な事業転換によって掴んだ成功、そして早くも迎えてしまったそのビジネスモデルの限界が見えてきた。筆者はここに原因があると考えている。早速、詳しく見てみたい。

好調だったPCデポの業績

 そもそも同社の株価は、アベノミクスのあおりを受けた’13年以来高騰しており、たった3年余で15倍以上になっている。その理由は、純利益がなんと10倍に増えたためだ。純利益は売上高から、売上原価、販管費、営業外収益/費用、特別利益/損益、税金などあらゆる要因を引いて算出される数値のことだ。  なんと、その純利益がこの4年間で10倍も増え、1%にすら満たなかった売上高純利益率が今年は5%を超えているのだ。 ⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=106426  ところが、その一方で、売上高の推移を見てみると、常に500億円前後で全く成長していない。 ⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=106425  なぜ売上高が上昇していないのに、純利益が増えているのか。それは「売上原価」が急速に低下しているからだ。背景には同社の抜本的な業態転換がある。
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売上原価を大幅に下げた業態転換
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