uriminzokkiriチャンネル(YouTube)より
北朝鮮は6月22日、同国東岸の元山付近から、中距離弾道ミサイル「ムスダン」(米国によるコードネーム。北朝鮮発表によれば「火星10号」だという)とみられるミサイル2発を、北東方向に相次いで発射した。
この発射は米軍、韓国軍、そして自衛隊が探知し、5時56分(日本時間、以下同)に発射された1発目は、約150kmほどの距離を飛行し、日本海上に落下。飛行距離が短かったことから、失敗だったとみられている。
しかし、続く8時3分に発射された2発目は、高度1000kmを超える高さにまで上昇し、約400kmほどの距離を飛行した後、日本海上に落下した。この結果を受け、防衛省は同日「中距離弾道ミサイルとしての一定の機能が示されたことは、我が国の安全保障に対する深刻な懸念であると考える」と発表。成功とまではいわないまでも、それに近い結果であったことを示している。
そして翌23日には、北朝鮮の朝鮮中央通信が「戦略弾道ミサイル『火星10』の発射実験に成功した」と発表し、発射台を兼ねたトラックから発射されるムスダンと、それを満面の笑みで視察する金正恩氏の写真が公表された(火星10はムスダンの北朝鮮における正式名称)。
今回の発射試験による日米韓などへの政治的な影響や、ミサイル防衛システムによる迎撃の可否については、すでにさまざまなところで論じられているため、本稿ではムスダンそのものの技術や性能について分析したい。