実は巨大出版社だった「デアゴスティーニ」の堅実すぎる事業モデルとは?

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「創刊号は特別価格●●●円~デアゴスティーニ♪」でお馴染み

「週刊◯◯◯創刊~創刊号は特別価格●●●円~デアゴスティーニ♪」のTVCMでお馴染み、デアゴスティーニ・ジャパンは、イタリアのデアゴスティーニ社の日本法人です。なお、その起源は、世界地図の普及を目的にイタリアの地理学者ジョバンニ・デ・アゴスティーニ(Giovanni De Agostini)が1901年に設立した地図研究所なので「ディア」ゴスティーニではありません。  同社の代名詞とも言える、分冊百科やパートワークと呼ばれる形式が登場したのは1959年「イル・ミリオーネ(100万の意味、かのマルコポーロにも由来)」という毎号32頁×312号の地理辞典でした。ちなみに、本来分冊百科とは文字通り、分冊形式の出版物として、百科事典等への完成を見るものですが、現在では、歴史や科学など特定のテーマに絞ったものが主流となっています。

1988年の日本進出第1号は「週刊エアクラフト」

 その後は同形式での趣味・実益などの解説書を中心に事業を拡大、現在では特定の映像作品を題材にしたDVDコレクションなどサブカルチャー領域も大きく取り扱っており、地域としても、イタリア総本社を中心に世界33ヶ国に進出、デアゴスティーニ・グループを形成しています。  日本市場への進出は1988年、飛行機ファンのための「週刊エアクラフト」が第一号で、その後の1994年には「隔週刊クラシック・コレクション」が創刊号180万部、トータル1600万部を売上げる大ヒットを記録するなど、市場を形成しました。  なお、各タイトルの企画は、日本ならばデアゴスティーニ・ジャパンが独自にほぼ立案・発刊するという感じで、各国ごとの運営が行われており、総本社またはインターナショナル本社(イギリス)からのオーダーというものは基本的にあまりないようです。
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誰もが思ったことがある?「いったい誰が買ってるんだろう?」
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