「自然エネルギー中心」の新電力会社の料金を比べてみた
電力小売の全面自由化が今年4月に施行され、一般家庭でも自由に電力会社を選べるようになった。数多く登場した新たな電力会社の中には、自然エネルギーの導入比率の高さを売りにするものもある。現時点で自然エネルギー中心の電気料金は高いのか、安いのか?
3.11を経て、「温室効果ガスを出さず、原発に頼らないエネルギーをなるべく使いたい」という消費者のニーズは確実に増えている。
環境NGOなどでつくる「パワーシフト・キャンペーン」では、自然エネルギー導入に積極的な各地の電力会社を紹介している。今年4月現在、その数は14社。いずれもキャンペーンが「原子力発電を含まない」「電源構成を開示している」など、5つの指標を満たしていると認めた電力会社だ。
その内の一つ、「みんな電力」(東京都世田谷区)は「顔の見える電気」を売りにしている。同社は、住民が主体となって太陽光などの発電施設を運営する「ご当地電力」から電気を買いつける。みんな電力と契約すると、「ご当地電力」の中から電気の「指名買い」ができる。このことで、消費者は自分が応援したいご当地電力から電気を買うことができる。
同社の低圧電力(家庭向け)の電源構成は今年2月時点で、FIT(固定価格買取制度)由来の自然エネルギー電力が55%、FITによらない「生グリーン電力」が15%。電源に占める自然エネルギーの割合は合計で70%だ。
気になる電気料金(いずれも税込)は、基本料金が一律830円。電力単価も一律で1キロワット時当たり23.7円となっている。大手電力は基本料金がアンペア数で変わるほか、電力単価も消費量に応じて段階的に上がるしくみだが、同社のアピールポイントは「シンプルな電気料金」。標準世帯(夫婦と子供2人)の電気使用量が月260キロワット時の場合、燃料調整費や再エネ賦課金を除いた電気料金は月6992円だ。
電気料金のシンプルさでは「Looop」(ループ、東京都文京区)が上を行く。基本料金を排した完全従量制(今年5月までの申し込み分に限る)で、電力単価は26円(東電管内)。自然エネルギーの割合は、みんな電力と比べれば下がるが26%だ。標準世帯では月6760円となる。2社とも主な供給先は首都圏。東京電力(従量電力B・30アンペア)の6801円とほぼ同等の料金だ。
自然エネルギーの「ご当地電力」から指名買い
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