身近な生活に影響も。広がるマイナス金利の波紋

メガバンクが預金金利を引き下げるなか、西武信用金庫などは預金金利を引き上げた

 日本銀行が2月にマイナス金利政策を導入して以来、メガバンクの定期預金金利が満期1か月から10年まで0.01%で並ぶ異常事態になっている。  銀行の預金金利もマイナスになるのではないかとの思惑から「金庫」がバカ売れしたり、三越や高島屋、京王百貨店などのデパートでお得に買い物ができる「デパート積立」がにわかに注目されたことがさまざまなメディアで報じられた。例えば高島屋の「ローズサービス」なら、毎月の積立額が5000円の場合、1年後の受取額は6万5000円と、5000円がボーナス分として上乗せされる。利回りは年8.3%超だが、百貨店で買い物をすることになり「むしろ家計への負荷は増えそう」と冷ややかな声も。  一般の消費者がまず飛びついたのは、「生命保険」だ。大半を国債で運用している保険会社では運用難から今後の保険料の値上げが懸念され、保険の見直しで保険窓口や代理店は活況が続いている。また、予定利率の魅力が相対的に高まるということで、貯蓄性の高い学資保険や一時払い終身保険、養老保険の人気が高まった。ところがここにきて、利率のいい一時払い保険の販売を停止したり、受け取れる配当金を引き下げる保険会社が相次いでいる。
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メガバンクが金利を下げる一方で金利を上げる信金
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