通貨価値の下落は国家の衰退と密接に関係する【後編】

ドル円が6年ぶりに109円台をつけ、円安状態へ突入した日本。ぐっちーさんはかねてより通貨価値の重要性について言及してきた。間違った円安歓迎ムードにいま一度、ぐっちーさんが疑問を投げかける。

通貨価値の下落は国家の衰退と密接に関係します【後編】

(現役金融マン ぐっちー氏) ⇒【前編】はコチラ  そうなると今の日銀がやっていることは少しおかしくないですか?  これだけ歴史がはっきり証明しているにもかかわらず、現在日銀が大量に国債を引き受けて、その結果大量に円が流通し円安になっている。本来通貨価値を守るのが使命の日銀自らが通貨価値を毀損し、円安を誘導しているわけです。  貨幣博物館で歴史が明らかにしているように、順番は不明ですが、国家の衰退は通貨価値の下落と必ずセットになってきます。なぜ日本人だけが通貨価値の下落である円安を歓迎するのか、不思議でならないです。  実際円安が加速すればそれは日本という国に信用がなくなるという話ですから、世界中から物を買って生活している日本は「即死」なのです。 【今週の数字】 ドル円の値(9月23日現在) 108円88銭 9月18日に東京外国為替市場で、ドルが対円でリーマンショック前の水準となる高値をつけて以来、高値を維持。さらに円は対主要通貨でほぼ全面安という事態になった 【選者】現役金融マン ぐっちー氏 ウォール街で20年生きてきたノウハウからブログを執筆するアルファブロガー。金融と経済を中心としたオピニオンブログ「THE GUCCI POST」(http://sweetpoolside.jp/)を主宰している 図版/ミューズグラフィック