何を考えているのかわからない部下との付き合い方

photo / xiangtao / PIXTA(ピクスタ)

企業研修講師・原田まりるの「エニアグラムで考える対人関係」その2

 扱いにくい部下とどう付き合えばいいのか、という悩みはどの職場にもあるようだ。  我が強すぎる、物分りが良くない、物事を先延ばしにするなど、さまざまな形の扱いにくさがあるが、部下を指導する際に一番厄介に感じるのは「何を考えているかわからない部下」との接し方ではないだろうか。というのも以前、研修でこのような相談を受けたことがあった。

おとなしいが不思議ちゃんな部下

 Aさんの直属の部下に一人、何を考えているのかわからない社員Bさんがいた。そのBさんはおとなしく勤勉であったが、ミーティングではよくわからないアイデアを持ってくることがあった。Aさんは、なぜ彼がそのようなアイデアを持ってくるのかに困惑することが多かったという。  例えば、イベントポスターを制作する際にそのBさんは一生懸命創作活動に打ち込みはする。しかし、「なぜこうなった?」という規定のイメージとはズレた奇抜なデザインで仕上げてきたり、新しいサービス内容を考えるミーティングの際も「場のウケを狙っているのか?」と思ってしまうような、天然な発言を連発したりと、本人に悪気はないのだろうが何を考えているのかわからない不思議な言動が続くのである。  あまりにそういったことが続いたのでAさんは「現実的じゃない」とそのBさん提案する意見を却下するようになった。するとBさんは元々気分のムラは激しいほうであったらしいのだが、この一件にひどく落ち込んでしまい、次第にお互いに苦手意識をもつ関係になってしまったということだった。
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天然だが繊細なタイプ4・芸術家タイプの部下との接し方
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