「べき論」連発の押し付け型上司と上手に付き合うための3つの方法

対人関係

photo by よっし / PIXTA(ピクスタ)

企業研修講師・原田まりるの「エニアグラムで考える対人関係」その1

「~すべきである」「~であるべきだ」――。  厳しい上司の中にはこのような「~べき」論をぶつけてくる者もいる。
原田まりる

コラムニストや企業研修の講師も行う原田まりるさん

 私が行っているある企業の社員研修で、次のような相談を受けたことがあった。  相談の内容は、真面目な上司がいることでチームが必要以上にピリピリしてしまうという内容。詳しく話を聞いてみると、真面目で厳しい上司がおり、彼のおかげで質の高いサービスを提供出来てはいるのだが、なにか彼の理想にそぐわないことがあると「ここはもっとこうすべきだ」と逐一細かく指摘されてしまい、チーム全体が重苦しい雰囲気になってしまうという問題であった。  そこで当の本人(上司のほう)に話を伺ってみると、「もっと完璧にしなければならない」という内なる声のようなものが自分の頭の片隅にあり、物事に対して妥協することができないとのこと。それは自分に対しても他者に対しても同じで、ベストを尽くすのではなく、勤務時間を浪費するように仕事を“こなす”だけの部下を見るとつい指摘をしてしまうということであった。  エニアグラム視点で考えると、この上司の男性はタイプ1:完璧主義者であると思われる。完璧主義者はその名のとおり、常に100点を目指しつづけてしまう真面目な性格の持ち主で、規律やルールを重んじ、何事もきっちりと取り組もうとする性質がある。そして、他者に怒られたくないから、誰かに認められたいからという理由で、きっちりと取り組むのではなくあくまで自分自身の中から聞こえる「100点を目指さなければいけない」という声に従い、物事を完璧にこなそうと奮起する点が特徴としてある。
次のページ 
完璧主義者の上司と付き合うための3つのポイントとは?
1
2