ナポレオン、徳川家康、エジソン――歴史上の偉人がTEDでプレゼンしたら何を話す?

ナポレオン もし、歴史上の偉人がTEDに登壇したら!? ……みたいな軽妙さだ。  今回取り上げる『退屈な日常を変える 偉人教室』(五百田達成 文響社)は、前書きの説明を引いてしまうと<誰もが名前を知っているような歴史上の偉人たちが、その人生を振り返りながら、自らの言葉で、生き方のヒントを教えてくれる講演会。いわば、偉人によるトークライブです>てな内容の本ということになる。  偉人たちが自身の実績や歩みを語りつつ、仕事観や人生訓、経験則をコンパクトに示してくれる自己啓発書と言えないこともないが、まずは設定というか、“あの偉人が舞台上で大画面をバックにスピーチしている”という立て付けを想像してみるだけでニヤニヤしてしまう知的エンタメとして、素直に楽しみたい一冊だ。  目次を見てみよう。そうそうたるメンツが並んでいる。 ================================== ・本物の自信のつくり方:ナポレオン・ボナパルト ・私がノーベル賞を取れなかった理由:野口英世 ・大物になるための条件:ガイウス・ユリウス・カエサル ・何歳になっても第一線で活躍する方法:徳川家康 ・「努力すれば夢は叶う」はウソ:トーマス・エジソン ・人生は流されるくらいでちょうどいい:近松門左衛門 ・もしも、波風立てずに生きたいのなら:ソクラテス ・「坂本龍馬」を育てた女たち:坂本龍馬 ・命の守り方を教えます:ジェームズ・クック ・器用貧乏になってはいけない:杉田玄白 ・好かれる努力で信頼を勝ち取ろう:ベンジャミン・ディズレーリ ・勝ち続けるための心技体:宮本武蔵 ・学問の使い方:フローレンス・ナイチンゲール ・やりたいことはいつ始めるのが正解?:伊能忠敬 ・女性が最高に輝くための3つのルール:マリー・キュリー ・仕事ってかったるい、と思ったら:ミケランジェロ・ブオナローティ ・自分らしさって何?:マリー・アントワネット ・一つのことを突き詰めてみてわかったこと:葛飾北斎 ・圧倒的な不安や恐怖に打ち克つ方法:藤原道長 ・そんなことで絶望してはいけない:フィンセント・ファン・ゴッホ ・ふつうの主婦だった私が尼将軍になるまで:北条政子 ・絶望からの立ち上がり方:ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン ・「正しいとは何か」を考える:司馬遷 ・人生とは美しい童話のようなもの:ハンス・クリスチャン・アンデルセン ・本当に大切なものを見つめてみる:一休宗純 ==================================  もはや、それぞれが本のタイトルのようである。もしも、彼ら彼女らが現代に生きていたら、きっとこんなタイトルの新書でも発表していたことだろう。本編の文章も、スピーチ原稿のような仕立てになっている。たとえば、こんな調子。
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ゴッホがスピーチを!?
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退屈な日常を変える 偉人教室

偉人たちはなぜ人生を全力で駆け抜けることができたのか?