閉店相次ぐ「クリスピー・クリーム・ドーナツ」に未来はあるか?

福岡県からは3月に全店舗撤退した。写真は閉店前の福岡天神地下街店。

 店舗数国内2位のドーナツ専門店「クリスピー・クリーム・ドーナツ」(以下、クリスピークリーム)の閉店が止まらない。  今年に入り、京都府、広島県、福岡県などから全面撤退したのをはじめ、都内でも神田小川町や阿佐ヶ谷、玉川髙島屋の店舗が閉鎖となってしまった。

米大手ドーナツチェーン、順調に店舗数を伸ばしてきたが……

 クリスピークリームはアメリカで1937年に創業したドーナツチェーン。日本国内では、2006年にロッテが「クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン」を設立し、同年12月に国内1号店となる「新宿サザンテラス店」を出店、日本上陸を果たした。  出店当初は主力商品である「オリジナル・グレーズド」の無料配布サービスを行い、平日でも1時間を超える行列が発生したことで注目を集め、既存のドーナツ専門店の2倍ほどの価格帯ながら順調に顧客の支持を獲得。クリスピークリームと同時期に参入した高価格ドーナツ店「ドーナッツプラント」、「サザンメイドドーナツ」が運営会社の経営悪化により店舗数を大幅に減らした一方で、ロッテが親会社の「クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン」は順調に店舗網を拡大していた。
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相次ぐ全面撤退。大都市圏でも
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