元銀座のホステスが編み出した「インデックス投資」の盲点を突く新手法!
2016.02.13
短期的な乱高下相場に翻弄され、大損してしまう株&FX投資家が多いなか、着実に増やしているのがインデックス投資家だ。インデックス投資家とは、日経225やTOPIXなどの指数と連動するファンドを毎月積み立て購入していくだけの地道な手法。しかし、地味なだけに猿マネも簡単だ!資産形成を目指すなら、まずは堅実な投資法も学ぶべし!!
「分散投資と言っている人たちの多くが『ワールドカップ的』なんですよね」
そう切り出したのは、銀座の高級クラブでホステス経験を持つ異色の投資家・浅川夏樹氏だ。インデックス投資家ながら、考え方や手法は他のトレーダーたちと一線を画す。
「ワールドカップはレベルの高い選手を揃えられた国が勝ち進みますが、弱小国にも少ないながらも、一流選手はいますよね。投資の世界も同じなんです。日本や先進国に一流企業は多いかもしれませんが、新興国にも世界で戦える一流企業があるものなんです。分散投資家の多くは、そこをおざなりにしがち。本来は国や地域で考えるのではなく、セクターごとに考えて、グローバルに戦える各国の一流企業に分散投資すべきです」
株式市場のインデックスファンドだと先進国、新興国全体に投資することになる。だが、セクター別の分散であれば、ハイテク関連ならアップルといった米国企業はもちろん、中国のチャイナ・モバイルも入ってくるのだ。
「エネルギーならエクソンやBP(英国石油)に加え、ブラジルのペトロブラスなども投資先になります。先進国、新興国を問わず、世界で戦える企業に投資できるというわけです」
日本でも、トヨタのように世界で戦える企業もあれば、国際競争力に欠ける企業もある。それを見抜いて個別に投資するのは大変だ。だが、ハイテク関連にエネルギー関連、金融関連など世界の株式市場をセクター別に分けて上位の銘柄に投資してくれるファンドがある。それを購入していくのが、浅川スタイルだ。
「もう一つ大切なのが、購入タイミングです。多くの投資家が損をしてしまうのは、『何を買うか』ではなく『いつ買うか』を間違えるためです。値動きの荒い株式市場で最適なタイミングを見極めるのは難しいですから、基本的には積み立てになります」
購入するファンドは通常のインデックス派と異なるが、積み立ては同じ。しかし、すべてのファンドを積み立てるわけではないという。
「積み立てと一括購入するファンドを分けます。基準はボラティリティ(変動率)。ボラティリティの高い投資先では最適な買い時がわからないので、高値でまとめて買う恐れもある。だから、積み立てますが、ボラティリティの低いものは別。例えば、高格付けな債券やディフェンシブなセクターに投資するファンドは値動きが少ない。そういったファンドは、リーマン・ショックのような暴落時の割安になったタイミングを狙って一括購入します」
値動きの大きいリスクの高いものは積み立て投資を実施し、一括で購入するファンドと使い分けていく。手間はかかるが、機械的に積み立てるよりも、パフォーマンスは向上させやすい。
「ファンドを永遠に保有し続けることもしませんね。たとえ積み立て投資であっても、高値圏になったら少しずつ売却して利益確定。下落したところで、割安に買い直してと回転させていくのが効率的だと思うんです」
インデックス投資の魅力は、相場を読むことの難しさから解放されて、ほったらかしにできること。これでは、だいぶ裁量トレードが入ってくる。そもそも、いつ高値圏かを見極めるのが難しいから、積み立てなのでは?
「そこで、基準となるのはダウ平均です。世界でもっとも強い企業が集まる米国の株式市場の代表的な30社を集めた指数ですから、ダウ平均を見ていれば、世界経済全体の動向がわかる。ダウ平均の高値圏を警戒するニュースが増えてきたり、PERが高まってきたらファンドを少しずつ処分しながら、下落局面で買い直せばいいんですよ」
ダウ平均が下落すれば日本株も連動して下落し、新興国株はもっと下へ。いったん現金にしておいて、下落をじっくり待ち構えるのだ。
積み立て型のインデックス分散投資よりはリスクが高い。しかし、機械的に積み立てていくことに少し物足りなさを感じる人は、ぜひ浅川氏の裁量トレードを残したやり方を駆使し、高い利益率を目指してほしいものだ。
Invesco Global Small Cap 海外の小型株に投資
Investec Global Energy 世界の石油関連企業に投資
Invesco Global Technology 世界のハイテク関連企業に投資
Fidelity Japan 日本のTOPIXや個別株に投資
First State Asian Equity アジア圏における上位企業に投資
iShares China A50 上海A株のインデックスに投資
【浅川夏樹氏のアセットアロケーション】
「積み立て」部分でセクター別の35%を保有。残りは日本株や動きの激しいアジア企業や上海A株で構成。リスクの低い米国債などは暴落時に備えるキャッシュの代わりとして一括購入。キャッシュを20%残しておくのもコツ
【浅川夏樹氏の出口戦略】
NYダウ平均が高値圏に近づいたら、キャッシュ比率増
【浅川夏樹氏】
銀座にある高級クラブのホステス嬢として働く傍ら投資を始め、独自の投資理論を確立する。現在は銀座にお茶屋バー『八仙花』のオーナー兼個人投資家。国際分散投資のほか高級ワイン、ウィスキー投資なども手掛ける。著書に『ETF 世界を舞台にした金融商品』(パンローリング)ほか多数
― インデックス分散投資の究極奥義 ―
セクター別に分散投資。積み立てと一括購入を駆使して利益増を狙う!
セクター分散で世界の一流企業に分散投資
ダウ平均を注視しながら積み立てファンドも売買
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『ETF 世界を舞台にした金融商品』 長期有望・高利回り銘柄を維持しながら空売り型で目先の下落リスクも回避。実践家が説く使い方、選び方。 |
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