![住居](https://hbol.jp/pc/wp-content/uploads/2016/02/e9f4459d0f71eef57ca02a61256c799b_m-300x198.jpg)
Airbnbに貸し会議室、レンタルオフィス、コインパーキング……。昨今、不動産シェアビジネスが多数登場する背景について、不動産コンサルタントの猪俣淳氏は分析する。
「まず、基本的には不動産に限らずどんなビジネスも『バラ売り』すると儲かります。たとえば、家賃6万円のワンルームを、一泊5000円で『バラ売り』すれば月15万円。いまはウェブの時代になって、個人でも簡単にシェアビジネスに取り組めるようになったのも大きいですよね」
ただ一方で、シェアビジネスは「バラ売り」によって単価こそは上がるものの、より短いスパンで複数の利用者に貸し出すため、常に稼働率を気にしなければならない上、運営コストが大きいというデメリットもある。
「いかに『バラ売り』しても、そもそも利用者がいなくては利益は生まれません。シェアビジネスで成功するために最も重要なのは立地です。たとえばAirbnbなら旅行者にとってアクセスが良い場所、コインパーキングなら違法駐車の取り締まりが厳しいエリア、レンタルオフィスなら銀座や六本木など、住所に『格』がある場所を選ぶなどがポイントです。さらに利用料金は自分で細かく設定できるので、これを利点として活用するには、より詳細な市場のリサーチも必要です。また『バラ売り』すればするほど、予約、入金管理、清掃・セットアップといった運営上の作業は増加します。いまはアウトソーシング化も進んでいますので外注するという手もありますが、その分、負担するコストは増えます」
また、不動産シェアビジネスは法律的にグレーな部分も多いと言われるが。
![猪俣 淳氏](https://hbol.jp/pc/wp-content/uploads/2016/01/fudousan_20160112_29-160x160.jpg)
猪俣 淳氏
「特にAirbnbなどの民泊は東京都大田区のように推進する自治体もある一方、旅館業法の適用という部分ではあくまでグレーゾーンという見方です。また、外国人利用者と住民のトラブル、業者の摘発、民泊利用禁止マンションの増加などの動きも目立ちます」
今後、五輪で規制緩和の可能性も囁かれている民泊なども、いざ部屋で利用者が事件や火事などの事故が起こしてしまった場合、貸し主や所有者は責任を問われ、損害賠償を求められる恐れもある。また、物件の用途変更による建築関連法への抵触や火災保険の適用がされるかといった問題もある。
「不動産シェアは少ない元手で始められる可能性の高いビジネスですが、取り組むのならこうした『万が一のリスク』にも十分留意する必要があります」
【猪俣 淳氏】
CFネッツ シニアコンサルタント。一級建築士など多数資格を保持。著書に『
誰も書かなかった不動産投資の出口戦略・組合せ戦略 改訂版 』
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