「熊本朝活部」の様子。インプットだけでなく、発表などアウトプットの場も
昔から「早起きは三文の徳」といわれている。しかし、忙しいサラリーマンのこと、残業や夜更しなど、つい夜型の生活に陥りがちだ。
そんななか、出勤前の時間を使ってサークル活動に取り組み、体内時計をリセットする「朝活」が人気だ。実際、朝型の生活に切り替えることで、どんなメリットがあるのだろうか。朝活サークルの参加者達に話を聞いた。
「朝活サークルに参加したことで、まず、自然と早起きが苦痛でなくなりました。それに伴い、仕事の準備を前日にするようになったので、時間もうまく使えるようになりましたね。朝食もちゃんと摂るようになったので、ベストコンディションで仕事も捗っています」
そう語るのは、毎週1回、朝の1時間を利用し、読書会やワークショップ、ミニ講座などを開催している熊本市内の社会人サークル「
熊本朝活部」の参加者だ。また、同サークルの代表・川本将登さんは「参加者の多くは従来夜型の生活をとっていました」と、語る。
「私を含めた主催者の側も、もともと夜型の生活スタイルを送っていました。なので、当初は朝中心の生活に切り替えるのに苦労しました。
大事なのは、朝早く起きることではなく、『なぜ早く起きるのか』という部分に意識を向けることですね」
「熊本朝活部」では読書会や英語の勉強会などが行われる
ただ早朝に活動するのではなく、仕事に行くまでの時間をどう活用したいのか。自分自身でロジックを組み立てることが、「朝型人間」になるための第一歩のようだ。
「朝型に固執することで、逆に睡眠不足になってしまっては本末転倒ですからね。朝に何をするか決めることで自然と体も慣らされるはずです。これといった形にとらわれることなく、自分なりの柔軟な朝型のスタイルを取るのがよいと思います」(川本さん)
一方、東京の都心丸の内にて、春・夏・秋学期の各期20~30クラスを開講し、これまでのべ1万4000人が参加した朝活サークル「
丸の内朝大学」。今年で7年目を迎える同団体の活動内容について、運営事務局の山本寛明さんに聞いた。
「代表的なクラスを挙げると、新潟清酒達人検定の合格を目指しながら、生産地域にも出向き、日本酒の良さを学ぶ『
新潟清酒達人検定クラス』だったり、初心者がフラッシュモブを通して、プロからダンスの楽しみを教わる『
フラッシュモブクラス』などがあります。会社員から経営者、フリーランスまで、さまざまな役職の方にご参加いただいてます」
そんな「丸の内朝大学」だが、知識や経験を得られる以外にも、都心ならではのメリットがある。
「そもそも発足の動機が通勤ラッシュの緩和なんです。朝1時間早く起きることで、満員電車を避けて、快適に通勤し、自主学習することまでできる。また、明るい時間に活動することで、夜中に電力を使うことなく、エコにも繋がります。
もちろん、さまざまなクラス活動を通じて、いろいろなことに挑戦もしてもらっています。そこから、物事の考え方を学び、ビジネスの現場にも活かすこともできます。朝活には会社にはない、チャレンジの場があるんです」
自分で掲げる目標を設定するにはもってこいの「朝」という時間。うまくその日のスタートダッシュを切るためには、「朝活」を利用するのもテかもしれない。
熊本朝活部「くまかつ」
http://kumakatsu2013.jimdo.com
毎週月曜日朝7時から1時間、熊本市内にて活動中
丸の内朝大学
http://asadaigaku.jp/
活動の詳細はHPにて
<取材・文/相場龍児>