大阪市職員が語る、「大阪市役所ブラック企業体質」の実態
橋下徹氏の市長就任以来、何かと話題にあがる「大阪市」。しかし、実はこの大阪市役所、かなりの「ブラック企業体質」だという。
「休日には“オバケ”が役所にぎょうさん出よりますわ」
橋下徹大阪市長が就任して以来、一変した役所内の様子を市職員の吉田高志(仮名・44歳)さんはこう話す。彼ら市職員の間で言われる“オバケ”とは、休日出勤する職員のこと。成果主義を公務員に求める橋下市長のもと、市職員は「土日祝日はもちろん、代休や有給休暇を返上しての出勤も余儀なくされている」という。
「市サービス向上に関する報告書をどれだけ提出できるか、日、週、月の単位で数値目標があるんです。平日の昼間は窓口対応もあり、到底追いつかない。報告書を書くため、残業も休日出勤も当たり前になってしまいました」
自発的な休日出勤に加え、市職員は、ボランティアも強要される。
「市民マラソンの旗振りや、区民祭りのサクラをやらされます。区役所に勤務していた頃は、同区のゆるキャラの着ぐるみを着て、丸1日踊ったことも。もちろん何の手当ても出ません」
これだけ仕事量が増えたにもかかわらず、残業代は逆に大幅カット。課長補佐の役職に就く吉田さんの月給は33万円+残業代5万円に減額されたという。
さらに、市職員を過酷な労働に追いこんでいるのが、市長を崇拝する“プチ橋下”と呼ばれている上司たちだ。
「やたら規則を盾に、部下に対して威張り散らすので、そう呼んでいます。法や規則で白黒付けたがる市長の真似事なのでしょうが、正直うっとうしい。この前なんて腹痛でトイレに30分長居しただけで『無断で職場を離れた』との理由で、懲戒手続き請求にかけられた職員もいました。それに、嫌煙家の市長の影響で、タバコを市役所に持ち込んだ職員を懲戒処分にしようとする上司もいます。まるで大麻や覚せい剤と同じ扱い……さすがに行きすぎですよ」
橋下市長誕生後、疲弊する吉田さん。彼が心の底から橋下市長の国政転出を願っているのは、言うまでもない。
<取材・文/HBO取材班 イラスト/神林ゆう>
大阪市職員の新3K⇒「休暇がない」「規則が厳しい」「恐怖政治」
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