「コメダ珈琲」、「ミヤマ珈琲」、「星乃珈琲」。3強が鎬を削るロードサイド型喫茶店戦争
2015.10.17
⇒【次回】激化するロードサイド型珈琲店戦争。各チェーンが語る店作りの戦略
<取材・文/上原純(OfficeTi) photo by Nori Norisa on flickr(CC BY 2.0)>
ここ最近、郊外の幹線道路上に店舗を構えるいわゆる“ロードサイド型”の珈琲店が増加している。2003年の関東進出以来、着々と店舗数を拡大している「コメダ珈琲」を筆頭に、関東を中心に出店していた「ミヤマ珈琲」が九州に進出したり、丸亀製麺を運営するトリドールが珈琲チェーン「コナズコーヒー」の展開を始めるなど、各チェーンの出店攻勢も目立つ。果たして“ロードサイド型珈琲店”が隆盛を見せつつある裏には何があるのだろうか。
「昨年来注目されるようになった“サードウェーブ”の流れのひとつと見ることができるでしょう」
こう指摘するのは、飲食コンサルタントの赤土亮二氏だ。
「スターバックス・コーヒーに代表されるシアトル系カフェのブームがセカンドウェーブ。こうしたシアトル系カフェは、多くの店舗でセルフサービス方式を導入しています。いわば、安価で手軽においしい珈琲が楽しめるというのがセールスポイント。コンビニコーヒーもその中のひとつと言えます。ただ、最近は消費者が手軽さ・安価さだけではなく、付加価値を求めるようになった。その結果、豆や淹れ方にこだわったハンドドリップコーヒーを提供してくれる店や落ち着いた空間でゆっくりと寛げる昔ながらの喫茶店スタイルの店が求められるようになったんです」
価格の安さや手軽さを強みとするセルフ方式の安価なチェーン店に対し、“落ち着いた空間”をウリにしているのがロードサイド型、と見ることができそうだ。そして、こうしたロードサイド型が隆盛を見せつつあるのは、サードウェーブコーヒーの流れの中で、「ゆっくりとコーヒーを楽しみたい」という消費者のニーズが高まってきたからだ。
「特に勢いがあるのはコメダ珈琲・ミヤマ珈琲・星乃珈琲。いわば“3強”です。いずれもかつて流行した喫茶店と珈琲専門店が合体したようなスタイルで、客単価が高い分、品質や設備、サービスがいい。家族連れやシニア層をターゲットに、がっちりと客を掴んでいます」(赤土氏)
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