意外なところで訴訟リスクが…個人賠償責任保険、入ってます?
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「個人賠償責任保険は保険料が100〜150円ほどと安いこともあり、単体での加入は基本的に受け付けていません。火災保険や自動車保険などの特約でカバーする人がほとんどです。クレジットカードの付帯サービスとしてついている場合もありますが、補償額が少ないこともあるので、注意しておきましょう」(鬼塚氏)
さらにもうひとつ、商品によって違いがあるのが示談交渉サービス。事故が起こったとき、民事裁判に持ちかけられるより、保険会社などの第三者同士で賠償金額をいくらにするか話し合うことが多い。そこで弁護士や保険会社などの示談交渉サービスがついていれば、より安心にリスクに備えられる。
「商品によっては、弁護士費用に関しては特約での加入となっている場合もあります。ただ、いずれにせよ事故が起こったときに『示談交渉があるから謝罪は必要ない』わけではありません。個人賠償責任保険に加入していても、責任はすべて保険会社が引き受けてくれると考えず、被害者に対して誠意のある態度で謝罪することも忘れずに」(鬼塚氏)
どんな時代になろうとも、お金だけで解決することは、何もないようだ。
<文・図版/田中雅大>
【鬼塚眞子(おにつかしんこ)】
保険ジャーナリスト、ファイナンシャルプランナー。「オーツードットコム 保険業界の明日を考える会」を主宰。
【田中雅大(たなかまさひろ)】
ビジネス・マネー誌と家電情報誌が主なフィールドの編集・ライター。マネーは国内株、生保。デジタル系はスマホ、白物家電を主に担当。(株)ペロンパワークス代表。
日常生活のなかには自転車でケガを負わせてしまったり、買い物中に高価な陶器類の商品を割ってしまったりと、自分が加害者となってしまうこともある。場合によっては損害賠償を請求されることもあるが、そんな偶発事故のリスクをカバーする保険があることを、皆さんはご存じだろうか?
保険の名前は、「個人賠償責任保険」。加害事故について、損害賠償の責任を負ったとき、被害者に支払うべき損害賠償金等を支払うものだ。近年、この保険がにわかに注目を浴びている。保険ジャーナリストの鬼塚眞子さんはその背景をこう解説する。
「2013年に自転車事故で女性が意識が戻らなくなった事件があり、加害者側に9000万円以上の損害賠償の判決が出ています。この件が広く報道されたのは、加害者がまだ小学生であり、その親に民事責任として損害賠償命令が下されたこと。自分だけでなく、家族が加害者になってしまうかもしれないことから、個人賠償責任保険の存在が以前より意識されるようになりました」
個人賠償責任保険は、本人と配偶者、同居の親族、別居の未婚の子が補償される。自分以外の家族についても、万が一のリスクに備えられる。補償額は1億円や無制限と手厚い商品が多い。
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