タイの保険が資産運用先として注目を集めるわけ

 経済成長が目覚ましい東南アジアにおいて、タイの保険制度が「資産運用」先として注目され始めている。 「ワークパーミット(労働許可証)もしくはタイ滞在の合法的なビザを保有していることが条件になりますが、タイの保険では積立型で優れた商品があります」と言うのは保険紹介のWFC・バンコク担当者。
タイ

かなりワイルドなタイの交通事情。その背景には日本と異なる保険事情が!?

 ビザ保有者であるということが前提となるので、赴任もしくは現地で就職して商用ビザを取得しなければならないというハードルはあるが、それを補って余りある魅力があるという。それは「金利」である。 「例えば、オランダのINGの積立型生命保険は優れていて、35歳くらいの方が年間約12.9万バーツ(約32万円)を10年間積み立てた場合、20年後の満期時には最大で約280%くらいに増えます」  およそ320万円の総積立額で1000万円近くにもなる計算だ。しかもタイは保険に関わる受取金(保険金、満期受け取り金、配当、途中返戻金など)はすべて非課税なんだという。  ほぼ同じ条件のものを日本の保険会社で加入しても、積立総額は720万円程度となり、受取額は積立てた額と大して変わらなくなってしまう。 「タイは保険料が安い上に金利も高いので利回りがいい。運用は予定利率で4%くらいでしょう」  あくまで在住者向けではあるものの、タイ国内には日本人向けに保険商品を紹介する紹介所が多数進出し始めている。タイで加入して日本で受け取る事も可能だというので向こうに赴任する駐在員などが在タイのうちに加入することも多いという。  不況や災害などで未来が不安な昨今。キャピタルフライトが話題になり、東南アジアへの投資も注目され始めている。ラオスなどは、証券取引所がオープンしてまだ日が浅く銘柄も少ないものの、海外投資に興味を持つ外国人らの興味を引いているのが現状だ。  タイの保険もそんな投資先の一つとして定着するのかもしれない。 <取材・文/高田胤臣 取材協力:WFC(BKK)Co.,Ltd http://www.wfc.asia
(Twitter ID:@NatureNENEAM) たかだたねおみ●タイ在住のライター。最新刊に『亜細亜熱帯怪談』(高田胤臣著・丸山ゴンザレス監修・晶文社)がある。他に『バンコクアソビ』(イースト・プレス)など