有吉、坂上、トシちゃん…タレントに学ぶ“企業内再ブレイク”の共通点

田原俊彦

田原俊彦オフィシャルサイトより

 有吉弘行、坂上忍、田原俊彦……。一時期低迷していた芸能人が、最近になって突如として脚光を浴びている。彼らはなぜ、復活を遂げたのか。  有吉は、ビジネスマンに欠かせない“お客様視点”に基づいた冷静な観察眼を持っている。坂上は、高い職業スキルにもとづいて成績を上げ、しかも後進を育てている。ビジネスマンなら、社内での発言力が高くなって当然だ。芸能記者が話す。 「彼らは、不遇と思われる時代でも、己の芸を磨き続けたからこそ、再ブレイクしたのです。有吉は仕事が激減してから、テレビを観まくって、バラエティ番組を分析し続けた。その観察眼が品川祐への『おしゃべりクソ野郎』、ベッキーへの『元気の押し売り』といったあだ名の命名につながり、多数の冠番組を抱える今でも、視聴者目線を忘れない姿勢となって、大きく生きている。坂上忍の毒舌はなぜ許されるのか。本業である俳優としての活動を怠ることなく、実力も高いからです。  田原俊彦は94年、ジャニーズ事務所独立と長女誕生記者会見での『ビッグ発言』が重なり、人気が急落。しかし、それ以降も、毎年シングルを発売し、コンサートやディナーショーを欠かさなかった。持ち歌の大半はダンサブルな曲なので、ステージでは2時間ほぼ踊りっぱなし。それでも、20代の頃と変わらず、40歳を過ぎても、50歳になっても踊り続けてきた。努力を怠らなかったからこそ、再評価されているわけです」  会社員に例えるなら、花形部署から外されても、 腐ることなく目の前にある仕事に取り組み、社内外から再評価されるようになった、といったところか。 「芸能人は上手く行かなくなると、すぐに“イメチェン”をしたがりますし、なかにはサイドビジネスに手を出す人もいます。でも、彼らは売れなくなってからも、決して芸風を変えることなく、自分の道を追求してきた。  年を取ると、『あの人も苦労したんだな』などと世間の見方も変わる。加齢という本来なら負になるはずの側面も、プラスに転じています」  社歴を重ねたビジネスマンの経験は、決して無駄にはならないはずだ。 <取材・文/落合知>