新入社員を「辞めさせない」最も効果的な方法とは?
2015.06.08
4月に厚生労働省が発表した有効求人倍率は1.17倍と、23年ぶりの高水準だったことがニュースになった。これはもちろん、1人の求職者に対しての求人件数が1.17件あるということ。リーマンショック後の0.42倍と比べると、多くの企業が積極的に採用活動をしていることがわかる。
せっかく苦労して採用し、導入研修を施し、いざ現場に出たら「辞めます」……。そうならないように現場では様々な工夫をされているはずだ。
せっかく採用した人材、続く人とそうでない人の違いはどこにあるのか。複数の調査によると、若年層が辞める理由は「人間関係」「給与の安さ」「働き方(残業や勤務日数)」などの理由が上位を占めるようだが、逆に「続けられている理由」を聞いてみたことはあるだろうか?
仕事をしていると、ほぼすべての人が様々な困難に直面する。若年層社員(アルバイト含む)が(困難があっても)続けられている理由を聞いてみると、こんな回答が寄せられた。
・社員同士や社員と上司とのコミュニケーションが取れているから
・きちんと教えてくれる先輩がいたから/教育機会があったから
・適切に評価・フィードバックしてくれたから
今回は、寄せられた回答の1つ「きちんとした教育をしてもらった」に注目してみた。
きちんとした教育とは、内容もさることながら、教え上手と言われる人には共通するポイントがあるようだ。書籍『教え上手になる!』(クロスメディアパブリッシング)の著者、関根雅泰氏によると
・コミュニケーションがとれている
・全体像、流れを示してから仕事を説明する
・ダメなときはその理由を説明してくれる
・できたときは、褒めてくれる
・自分を認めてくれる
・自分でやらせてくれる
・尊敬できる、信頼できる
・簡潔にモノをいう人
などが挙げられている。「やっているはずだけどな……」と思う人は、ぜひ次のワークにチャレンジしてみて欲しい。
Q・伝える相手が、目を閉じていると思って、以下の図形を「言葉」だけで伝えてみてください。※伝える相手には、紙とペンで表現してもらいましょう。
⇒【画像】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=43989
こんなこと簡単!と思うかもしれないが、「伝える相手」のほとんどが正しく描けないはずだ。意外と「伝える」のも「伝わる」のも難しいと実感するだろう。
教育とは、ワンウェイでは成立しない。このワークは、実際にサービス業に研修を提供しているグローイング・アカデミーの講座の中で用いられているのだ。学長の有本氏は、マクドナルドの「ハンバーガー大学」の元学長、「ユニクロ大学」の元部長も務めていた専門家。有本学長によると、「このワークを通じてわかることは、人によって伝わり方が異なるということと、伝え方の工夫によってその違いは限りなく小さくできるということ」。
ではこのワークでより正確に図を伝えるために、どのような工夫が必要だったのだろう?
準備をする、相手の立場や視界を理解する、大枠から伝える、相手が分かりやすい言葉を使う、相手のペースに合わせる、伝わっているか途中で確認する、、、などが考えられる。ちょっと遠回りに見えるが、こうした丁寧な「伝え方・教え方」が、人が辞めない近道なのかも。<HBO取材班>
「辞める理由」と「続けられる理由」
「辞めないで!」の近道は”教え上手“になること
教え上手チェック
『教え上手になる!―教えと学びのワークブック』 20代~30代の若手を教える立場にある方へ |
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