Windows 10はスマホ・タブレット市場を乗っ取る最強OSに?

win01 スマホやタブレットといったビジネスにも必須なガジェット業界を一変する可能性も秘めているWindows 10。7月にも発売されるのではないかと噂され、エディションなど詳細情報が続々と公開されている。そこで今回は最近発表されたWindows 10関連のニュースを総まとめ。10の最新情報をまとめてチェックしてみよう。

エディションは全7種類! スマホ向けエディションも登場

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Windows 10 Insider Preview Build 10122が現在最新のビルド。スタートメニューの改良などを経て、ますます完成版に近づいている

 10はHome、Pro、Mobile、Enterprise、Mobile Enterprise、Education、IoT Coreの7エディションになることが決定した。この内、個人で購入できるのはHome、Pro、Mobileの3エディション。残りは企業や教育機関に向けたものとなる。個人で購入できる3エディションの内、もっとも普及しそうなのが10の基本機能が使えるHomeだ。ProはHomeにデータ保護機能や「Windows Update for Business」と呼ばれる更新管理機能などを追加したもので価格が高くなると予想されるため、ビジネスなどで利用する一部ユーザー以外には選択されないだろう。一方、MobileはHome、Proとは異なり、モバイル端末向けのエディションで、おもにスマホや小型タブレットに搭載される。このエディションの登場により、Windowsもいよいよスマホ・タブレット市場に本格進出することとなる。今年の冬には家電量販店にWindowsスマホがズラリと並んでいる可能性も充分ある。  なお、海賊版からの無償アップグレードができるという噂があったが、これは見送られることとなった。とはいえ、海賊版もアップグレードするという姿勢に変わりはないようで、いくらかの料金を払うことで正規版にアップグレードできるなど、何らかのプランが今後提案されると推測される。

iOSやAndroidの人気アプリが使えるように!

 Windows 8から「Windowsストア」と呼ばれるアプリストアが利用できるようになった。しかし、実際にストアにアクセスしてみると分かることだが、提供されているアプリが少なく、あまり利用されていないのが現状である。そこで新たに発表されたのが、わずかにコードを書き換えるだけでiOSやAndroidのアプリをWindowsに移植できるSDK(ソフトウェア開発キット)だ。これを使用した移植アプリがどれだけ正常に動作するかはまだ未知数だが、もし、ほぼトラブルなく動作するようならWindowsストアのアプリ数は急増し、Windows 10 MobileのシェアがiOSやAndroidを脅かすものとなるのは間違いない。  ちなみにiOS/Androidで人気のゲーム「キャンディークラッシュ」はすでに10に移植されており、プリインストールされることが決定している。
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プレビュー版の10ではベータ版のWindowsストアが利用可能。iOS/Androidアプリからの移植が簡単なら、アプリやゲームの数は急増するだろう

新ブラウザ「Microsoft Edge」はFirefox・Chromeを超える?

 Windows 10ではIEとは別にもう一つ新しいブラウザが搭載される。このブラウザはこれまで「Spartan」と呼ばれていたが、「Microsoft Edge」という名前になることが決定し、その詳細も明らかになってきた。  まず、Microsoft EdgeはActiveXやVB Scriptのような古い技術をサポートしないのが特徴だ。これら古い技術は脆弱性が残っており、ターゲットとされやすいため、サポートから外すことで安全性が向上する。また、Webページをそれぞれの端末に合わせたレイアウトに切り替えて表示してくれるのもMicrosoft Edgeの大きな特長。10はPCだけでなくスマホやタブレットでの利用も想定されているため、これは必須の機能だ。この他、新規タブの改良やWebノートの作成、リーディングリストなど、たくさんの機能が搭載されており、使い勝手はすでにIEを上回っている。  なお、Build 10122では確認できていないが、Microsoft Edgeはアドオンで機能を拡張できるようになるともいわれている。今後、アドオンが充実してくればFirefoxやChromeを越える人気ブラウザになる可能性も高い。 ⇒【画像】はこちら http://hbol.jp/?attachment_id=42321  以上がここ最近発表されたWindows 10関連の情報だ。モバイル端末向けのエディションや新ブラウザ、iOS・Androidからのアプリ移植など、いずれもスマホ・タブレット市場に打って出ようとするMicrosoftの意気込みがよくわかる情報ばかり。はたしてWindows 10はiOSやAndroidを越え、PC・スマホ・タブレット、全市場の覇者となれるのであろうか? <文・画像/中谷 仁【中谷 仁】 パソコンやスマートフォン、タブレットなどデジタル系雑誌・ムック本などを制作する編集プロダクション「株式会社ノーリ」の代表取締役。自ら編集・執筆をしており、年に数十冊の本の制作に携わっている。「Windows100%」や「iP!」、「Mr.PC」、「家電批評」、「ラジオライフ」など雑誌を中心に活躍中。