株高でもコモディティに投資する理由とは?

 株高ならば素直に株式に投資すればいいような気もする……。コモディティに投資するメリットはどこにあるのだろうか。 コモディティ「日本株とコモディティを比べると、為替や企業固有の事情の影響を受ける日本株は、アメリカの株高や好景気を反映し切れない側面があります。そもそも、コモディティの特性は、需要と供給のバランスで価格が決まる……極めてシンプルなメカニズムにある。それに、コモディティは現在の円安の環境においては、ドル建てのコモディティ銘柄よりも強含みやすい。つまり、値上がりが期待される。また、インフレに向かいつつある今、お金の価値に比べて、モノの価値は目減りしにくい長所もある。これらのメリットを生かせるのが、コモディティへの投資というわけです」(ドットコモディティのアナリスト・吉田哲氏)  確かに、株式には企業の信用リスクがあり、為替や債券には発行する国の信用リスクがある。投資家はこれを避けることはできない。換言すれば、株式や為替、債券は無形のものだからこそ裏付けが必要になり、信用リスクが付き纏うのだ。ところが、実物であるコモディティには信用リスクがない。  そんなメリットを持つコモディティのなかでも、吉田氏が特に注目するのは、パラジウムやプラチナ(白金)などの「白金族」と呼ばれるコモディティ。いずれも埋蔵量が少ない、いわゆるレアメタルだ。図(http://hbol.jp/?attachment_id=3424)を見ると、吉田氏が言うように、NYダウやS&P500の上昇に合わせて、パラジウムやプラチナが値を上げているのがわかる。 コモディティ「プラチナの生産量は、ロシアが世界第2位。パラジウムはロシアが生産量第1位で、実に世界の供給の45%を占めている。そして今、ロシアはウクライナ問題を抱えているわけですが、かつて欧州への天然ガスの供給を止めたように、ロシアはウクライナ紛争を有利に処理するために、自国の資源を外交カードとして使う可能性があります。なので、ロシアの地政学リスクが、一部のコモディティ価格を押し上げる要因になりそうです。すでに、パラジウム価格が上昇していますが、同じ白金族でロシアからの供給割合が高い白金も、強含み、値を上げる可能性は十分あります」 【吉田哲氏】 商品先物のオンライン取引で預かり資産、売買高№1のドットコモディティ株式会社・コモディティアナリスト。テレビ、ラジオなどで精力的に情報を発信 ― コモディティを仕込むなら今しかない!【4】 ―